かっこよかったよ

【レッドライン フェラーリF2008 F.マッサ ブラジルGP 2008】
母国で完璧なポールトゥウィンを決めたマッサ。セナ以来のブラジル人チャンピオンがそのブラジルで決まる直前までいったのですが、悲劇的な結末を迎えてしまいました。

ポールスタートを決め、盤石のリードで序盤を進めたマッサ。イギリスGPで散々泣かされた雨を物ともせず、安定して首位を走る姿に「これはマッサの戴冠があるか」とこのシーズンで初めて思った気がします。チームメイトのライコネンやハミルトンだけにはタイトルを獲らせたくないアロンソ、初優勝を挙げ勢い抜群のクビサやベッテルの援護射撃もあり、レース全体が対ハミルトン包囲網のような様相だった思い出です。

雨が落ち着いたレース終盤、ここからはあまりにも有名で語るまでもないのですが、再び降り出した雨のためタイヤ交換で順位を落としたハミルトンが最終ラップの最終コーナーでトヨタのグロックをパスし、1ポイント差の紙一重のところでタイトルを掴み取りました。マッサとしてはチェッカーを受けてから数十秒はチャンピオンの権利を有していただけに、「こんな展開があるのかよ……」と驚愕しました。

賛否両論あるフェラーリのシャークフィンですが、マッサのマシンという印象が強いですよね。しかしこのマッサの悲劇はもう17年も前の事ですが、F1村ではこれを教訓にチャンピオン決定は関連ドライバーの順位がしっかり決まるまで無線で祝福しない文化が根付きましたよね。タイトル決定かは「まだ待て」という無線を聞くたびに08年の悲劇を思い出してしまうので、ちょっと可哀そうな歴史の残り方です。

マテル版F2008の紹介記事でも書きましたがこの年マッサは全体的に力不足だったので王座を逃したことには納得なのですが、チャンピオンを逃した直後にも関わらずマシンを降りて母国の声援に応えるマッサの姿は本当にかっこよかったし立派でした。アロンソやハミルトンですら茫然とするチャンピオンシップの敗戦で、表彰台で涙ながらに声援に応える様は本当に特別だったし、唯一無二だったと思います。負けちゃったけど、かっこよかったんです。
シューマッハに弟子入りして王座争いを経験、それを活かして晩年は名門復活に尽力というキャリアはよいストーリーでした。最後にストロールに「お前チャンピオンじゃないじゃん、俺シューマッハクラスの話しか聞かないよ」みたいな態度取られていたのは本当に悲しい。
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