ライコネン、最後の一台
【ミニチャンプス アルファロメオC41 K.ライコネン アブダビGP 2021】
ライコネンの現役引退を飾ったこちらのモデル。このレースから1年以上リリースが遅れ、先行したスパークのリリースから半年以上遅れ、さらに私の紹介も遅れたことでこの感動から2年もの時間が流れてしまいました。
既にこちらで最終戦の感想を語り、過去のマシンもこちらで紹介済みなので、この記事では私にとっていかに彼がヒーローだったかを語りましょう。再三お伝えしているように私がF1を観始めたのは05-06年頃で時はシューマッハ王朝最終期でした。新参者の私が既に多くのファンがいたシューマッハよりも新しい時代を作ろうとしていたアロンソ・ライコネンに惹かれるのは自然な成り行きだった気がします。
技量と勢いのアロンソと速さのライコネンというライバル構図はわかりやすく、またF1というスポンサー向け優等生アスリートが揃った世界選手権で彼のようなクールなキャラクターが存在していたことにとても強く驚きました。世界ってこんなに色々な人がいるんだなぁと。既にチャンピオンを獲り色が付いたアロンソよりも無冠のライコネンをより応援するようになり、当時ガラケーのメルアドに”raikkonen-MP4″みたいな文字列を入れていた記憶があります。なっつー。
フェラーリに移籍してからはバッシングの中初タイトルを掴みひと喜びするも、08-09年の低迷であっという間にシートを喪失。それでも12年によりキャラクターを前面に押し出してF1カムバックを果たすと実力を知らしめ、晩年は唯一のタイトルを共にしたフェラーリに身を捧げるいぶし銀な実力派セカンドドライバーとして低迷するチームを支えました。この間私は中学生~社会人という一生で一番濃密な時間を過ごしていたので、いろんな思い出と彼のキャリアの記録がリンクして色濃く記憶に残っているんですよね。一生特別なドライバーなんだろうなぁ。
最終戦はデビュー戦仕様のヘルメットで参戦しました。惜しいのはそのレースをリアルタイムで観ていないこと。こればかりは自分の年齢的にしょうがないのですが、不思議とベッテルのようにデビューからキャリアの全てを観てきたドライバーよりも、自分が見始めた時に既に戦っていた、原体験のF1を繋いでくれた人が去っていく方が心にきました。もうあの頃には戻れないんだなーという寂しさを突きつけられる、そんなライコネンのラストレースでした。
最近はたまにSNSにアップする家族との様子がニュースになる程度の静かな存在となったキミ・ライコネン。息子さんのカートキャリアを全面バックアップする生活中とのことなので、近い将来F1レースでの”RAI”表示の復活を期待したいですね。
もう引退して2年も経ったので、ライコネンを知らないというF1ファンも増えてきたことでしょう。最近のF1人気・モデルカー人気の中に彼の存在が無いことが少し寂しく、欲しいモデルを全て買いつくしたライコネンのミニカーは今後新しいものが増えることが無いんだなぁと、感慨深い年末なのでした。
改めておつかれさまでした。ありがとうキミ・ライコネン!
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