2008年チャンピオン L.ハミルトン

World Champion Collectionマクラーレン2008

最初のタイトル

【ミニチャンプス マクラーレンMP4-23 L.ハミルトン 2008】

参戦初年度からタイトル争いをリードし鮮烈なデビューを果たしたハミルトンがキャリア2年目にしてタイトルを獲得。しかし相手は大方の予想を裏切りフェラーリのマッサで、僅差の争いとなります。

全18戦で争われた2008年シーズン、アロンソがマクラーレンを追われルノーに移籍し、前年王者ライコネンは度重なる不運によってポイントを積み上げられず、タイトル争いはフェラーリのマッサとの一騎打ちになります。前年2チームが勝利を独占した展開から一転し、レギュレーション最終年となったこの年は勢力差が縮まり5チーム7人が優勝。参戦初年度のフォースインディアを除くすべてのチームが表彰台を獲得しました。

タイトル争いも1点の取りこぼしも許されなかった前年とは一転し、この年は両陣営ともミスが目立ち、取りこぼしの中でどれだけ点を積み上げられるかという戦いになりました。ハミルトンは前年の落ち着きが消えてなくなり、バーレーンGPでのアロンソへの追突やカナダGPでのピットレーンでの信号無視による追突など、精彩を欠いたシーズンとなりました。

空力戦争とも呼ばれたレギュレーションは最終年を迎え、ありとあらゆる空力デバイスが搭載されたこのシーズン。この「MP4-23」には搭載が見送られたもののシャークフィンやノーズコーンウイングレット、ホイールカバーなど近年のキーデバイスが続々登場し、レースごとにマシンの見た目が著しく変わった見ごたえあるシーズンです。

取りこぼしが続いたことで最終戦で窮地に陥ったハミルトンですが、最終ラップの最終コーナーでトヨタのグロッグのオーバーテイクしポジションを上げ、この1点によって辛うじてタイトルの獲得に成功しました。以降のマクラーレン時代のハミルトンは荒々しさが目立ったものの、メルセデスに移籍してからは落ち着きと余裕を獲得して盤石の強さで連覇を続けていきます。

一方マクラーレンにとっては2024年現在までこれが最後のドライバーズタイトルで、この年コンストラクターズを獲得したフェラーリ同様2つの名門は長らくタイトルから遠ざかることになります。この規定での開発を最後まで突き詰めたことが翌年からの出遅れに繋がったことは明らかですが、昨今1年間戦いきれない様はこの年の稚拙なタイトル争いから脱却できていないのかもしれません。

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