1975年チャンピオン N.ラウダ

World Champion Collectionフェラーリ1975

フェラーリの復権

【ミニチャンプス フェラーリ312T N.ラウダ 1975】

1964年のサーティス以来タイトルを逃し続けてきたフェラーリが11年振りに戴冠を果たしたシーズン。序盤は混戦となりフェラーリは苦戦しますが、名車312Tの登場によって流れはラウダ独走態勢へと変化します。

全14戦のうち、前半7戦と後半5戦の有効ポイント制で争われた1975年シーズン。開幕直後のフェラーリは前年タイトルを逃した不調が続き、マクラーレン・ティレルらに優勝を譲ります。しかし新マシンへの対応が進むと、5戦目モナコGPでの優勝を皮切りにラウダが3連勝。シーズンの流れを一気に引き寄せます。

14戦イタリアGPではお膝元での勝利をチームメイトのレガツォーニに譲ったものの、3位に入賞して最終戦を待たずにタイトルを獲得。6勝を挙げたフェラーリはコンストラクターズタイトルも獲得し、長らく喘いだ不振からの完全復活を成し遂げました。

この年に登場してから1980年まで6年間使用され、3度のドライバーズと4度のコンストラクターズタイトルをもたらしたフェラーリF1史上最も輝かしい成績を持つ名車312Tシリーズ。その礎となったこの年の312Tはラウダによる徹底的なテストによって熟成されました。所有するフィオラノサーキットで旧車との比較テストまで行うなど資本と時間の物量作戦の賜物で成功を収めましたが、その開発を担ったラウダの性格が表れての開発方針だったかもしれませんね。

1971年にマーチからデビューしたラウダですが、初期のキャリアは資金難に苦しみ自身の生命保険を担保に借り入れたお金を持ち込んでシートを獲得していたほどでした。しかし苦労の甲斐あってか走りがエンツォの目に留まり74年にフェラーリ入りを果たすと、初年度はフェラーリ通算50勝の節目となる優勝を含めた活躍で瞬く間にチームをリード。この年のフェラーリでの活躍は必然的なものだったかもしれません。

コメント