フェラーリの第一歩
【アシェット フェラーリ375F1 F.ゴンザレス】
今から70年前の1951年のイギリスGPは、フェラーリが記念すべき初優勝を挙げたグランプリです。この機を逃すと次に紹介するのは10年後になりそうなので、忘れずに紹介です。
1950年にF1が開幕してから、アルファロメオが全勝で支配して2年目を迎えたF1。そのアルファの支援を受けたフェラーリがついに連勝を止める初優勝を挙げ、今日までの栄光の第一歩を踏み出しました。チーム代表のエンツォが発した「母を殺してしまった」という勝利のコメントもまた今なお有名な歴史に残るフレーズですね。
1950年の初年度から基本的には同型ながらも継続改良がなされたという375F1。このイギリスGPで勝利を挙げるとF2規定に切り替わった翌1952年はエースのアスカリが連戦連勝し、一躍F1のトップチームに躍り出ました。
このマシンは初優勝から60周年となった2011年に同じイギリスGPの地で、当時のチームのエースだったアロンソによってデモランされています。1戦のみの不可解なオフスロットルブローの規約変更があったとはいえ、この走行の甲斐あってか奇跡の1勝を挙げたんですよね……。
ミニカーはコックピット周りの作りがなかなかだったものの、アシェットの安っぽい台座からカバー付きのスパークケースに移植しました。モデルの見栄えも良くなったので、このマシンの然るべき処置でしたね。
優勝したフロイラン・ゴンザレスというドライバーは当時フェラーリ在籍2戦目のアルゼンチン人で、エースのアスカリを差し置いてのチーム初優勝となりました。当時はそのうちアスカリも勝利するだろうくらいの認識だったのかもしれませんが、後の歴史によって偉大な金字塔になりましたね。
キャリアとしてはフェラーリが最速だった52-53シーズンをマセラティで過ごし、メルセデスが支配する54年に出戻りしてくることになったので通算勝利数はわずか2勝ながら、決して忘れられることのない名となりました。
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