21世紀初の女性ドライバー

【ミニチャンプス ウイリアムズFW37 S.ヴォルフ イギリスGPフリー走行 2015】
CK-models 別注として女性ドライバー、スージー・ウォルフのマシンがリリースされました。フリー走行だけとはいえ公式セッションを走った21世紀初の女性ドライバーなので価値ある一台です。

2014年イギリスGPでフリー走行デビューした際は、1992年のジョバンナ・アマティ以来の女性ドライバー登場ということで話題になったスージー・ウォルフ。
夫のトト・ウォルフが当時ウイリアムズの株主かつPUを供給するメルセデスの代表ということで、かなり強いコネでのテストドライバー採用は明らかでした。トトは後にメルセデスに専念しますが当時ボッタスのマネージャーまで兼ね、ウイリアムズを支配する一歩手前までいっていましたね。

スージーはレース参戦には至りませんでしたが、母国イギリスGPでフリー走行に出走するまでたどり着きました。当時のF1全体の深刻な財政難と、まだ現在ほど支援がなかった女性ドライバーの厳しい環境を考えれば立派な金字塔だったと思います。
彼女がレース参戦できないままこの15年のイギリスGPフリー走行でF1を去ったことで、FIAは抜本的な構造改革の必要性に気づいたのか以降は女性ドライバーの発掘・育成に積極的に力を入れていきます。

マシンはイギリスGPに合わせてサイドポッドのユニリーバのブランドが「Sure」に変更され通常版と差別化が図られています。私はモデルの細かな造形変更にはあまりこだわらないのですが、こうしてひと目でわかる○○仕様は大好きです。

当時のF1はグリッドガールが廃止されるなど男女平等の機運が高まっていましたが、ウイリアムズはチーム代表を務めるクレア・ウイリアムズとドライバーのスージー・ウォルフという2人の女性が活躍していた珍しいチームでした。
多様性という観点では一歩先を行っていたチームだったのですが、夫のコネでPUの割引があったくらいでスポンサーは増えず金銭的なメリットはほぼなく、資金難でクレアはチームを手放してしまいます。性別どうこうではなく、結局男女平等お金を持ってこれるかどうかが大事なんですねぇ。
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