21世紀初の女性ドライバー

【ミニチャンプス ウイリアムズFW37 S.ヴォルフ イギリスGPフリー走行 2015】
CK-models 別注として女性ドライバー、スージー・ウォルフのマシンがリリースされました。フリー走行だけとはいえ、公式セッションを走った21世紀最初の女性ドライバーなので価値ある一台です。

十数年ぶりの女性ドライバー登場ということで話題に上りましたが、夫であるトト・ウォルフがウイリアムズの株主かつPUを供給するメルセデスの代表ということもあり、実力だけでなくコネもあってのテストドライバー採用だったのは明らかでした。トトは今でこそメルセデスに専念していますが、当時はボッタスのマネージャーまで兼ねていてウイリアムズを支配する一歩手前までいっていましたもんね。

スージーはレース参戦には至りませんでしたが、母国イギリスGPでフリー走行に出走するまでたどり着きました。当時のF1全体の深刻な財政難とまだ今ほど支援のなかった女性ドライバーの厳しい環境を考えれば立派な金字塔だったと思います。FIAはこれで抜本的な構造改革の必要性に気づいたのか、以降は女性ドライバーの発掘・育成に積極的に力を入れていきます。

マシンはイギリスGPに合わせてサイドポッドのユニリーバのブランドが「Sure」に変更され通常版と差別化が図られています。私はモデルの細かな造形変更にはあまりこだわらないのですが、こうしてひと目でわかる○○仕様は大好きです。しかしこの偉業が生産数300台とは驚きの少なさですね……。

当時のF1はグリッドガールが廃止されるなど男女平等の機運が高まっていましたが、ウイリアムズはチーム代表を務めるクレア・ウイリアムズとドライバーのスージー・ウォルフという2人の女性が活躍していた珍しいチームでした。多様性という観点では一歩先を行っていたチームだったのですが、夫のコネでPUの割引があったくらいでスポンサーは増えず金銭的なメリットはほぼなく、資金難でクレアはチームを手放してします。性別がどうこうではなく、結局男女平等お金を持ってこれるかどうかが大事なんですねぇ。
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