獅子復活
【ミニチャンプス アストンマーティンAMR23 F.アロンソ バーレーンGP 2023】
前年2022年、復帰2年目ながらピアストリとのシート問題でアルピーヌと揉めつつあったアロンソ。ベッテルの引退を渡りに船とばかりにアストンマーティンと契約しましたが、ここまで大当たりの移籍はあろうかという素晴らしいマシンを引き当てました。
「戦えるマシンに乗ればまだ勝てる」という本人の弁に「そうかもしれないけどそういうチームに行けないじゃん……」という周囲の声との押し問答が10年近く続いたアロンソ評でしたが、ついにその答え合わせの時がやってきた2023年。オフテストの好調ぶりをそのまま序盤はフェルスタッペンの唯一の対抗馬として確固たる地位を築きました。RB19があらゆる記録を塗り替える化け物マシンでなければ、アロンソの優勝を見られたことでしょうね。
8度の表彰台で彼の技量が光るレースが毎週のように繰り広げられましたが、中でも2位を獲得したモナコ・カナダ・オランダの3レースは特筆すべきリザルトでしたね。あと一歩までマックスを追い詰めた雨のモナコGP、スタートの出遅れからメルセデスに真っ向勝負を挑んで破ったカナダGP、そして雨で大荒れとなったオランダGPと、速さとテクニック、豊富な経験とミスの無さという彼の集大成のようなレースでした。個人的にオランダGPで「無事に帰宅するために」マックスにアタックしなかったというジョークがお気に入り。数年前までは他人を呪い殺しそうな強いコメントが多かったのにね笑
21年のチームリブランディングから3年目、AMR23というようやく上位を争えるマシンを生み出したことでアストンマーティンチームの人気を高めた一年となりましたね。青・銀・赤時代に続き、緑のアロンソも彼のキャリアの一時代を築いてくれるかもしれないなと期待させるマシンでした。ストロール親子との関係も良好で(ランスが自分を脅かすことがないからでしょうが……)、終の棲家としてあと数年上位グリッドをかき回してほしいですね。黒とオレンジの時代?はて?
BWTアルピーヌによって染められたピンクカラーから再びアロンソらしいカラーリングに戻ったヘルメット。グリーンのマシンとよくマッチしていてお気に入りです。高級ブランドのアンバサダーとしてアロンソの適正は素晴らしいですし、そんなお高く留まったマシンはミニカーになっても高級感のあるモデルで手にして非常に満足感の高い一台でした。
シーズン序盤からランキング3位を死守してきたものの、終盤のアメリカGP・メキシコGPの実験的なセットアップによる破滅的なリザルトが痛手となって最終的にハミルトンに3位を明け渡してしまいました。それでも終盤ブラジルGPで最終ラップに表彰台を奪い返すなど、この年のアロンソの復活劇の評価が落ちるものではなく、つい数年前まで王座を死守していたハミルトンと再びバチバチ戦えたことは間違いなくキャリアの寿命を延ばしたと思いますね。
アロンソの表彰台、ハミルトンとの再びの争いが見れたことで往年のファンにとっては喜ばしいシーズンでしたが、次なる目標はもちろんレース優勝とランキング3位でFIA表彰式へのカムバックでしょう。まだまだアロンソの旅は続く……。
前回アロンソがシーズン8回以上表彰台を獲得したのは何と10年前の2013年でした。この年はタイトルの可能性があったのですが、今年と同じくレッドブルのドライバーにチャンピオンシップを蹂躙されてしまいました……。
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