ザウバー C31 小林可夢偉 中国GP

ザウバー2012

予選3位とファステストラップを記録

【スパーク ザウバーC31 小林可夢偉 中国GP 2012】

メルセデスが半世紀ぶりにフロントロー独占を果たした2012年の中国GP。小林可夢偉はその直後の3位グリッドを確保しますが、結果には繋がらずチーム力の差が見えた一戦となりました。

シーズン第3戦の中国GP、既に前戦でペレスが表彰台を獲得しており、ザウバーC31の競争力は明らかでした。可夢偉選手は予選3位のベストグリッドから表彰台なるかと期待されたのですが、彼のグリッドにサポートレースで付着したオイルがスタートの邪魔をします。

そのオイルに起因してか蹴り出しが悪くスタートで遅れると、レースではそのままずるずると後退。チームには上位勢のような挽回策はなく、結果的には10位で何とか1点獲得するのがやっとになります。しかし40周目には意地のファステストラップを記録するなど、可夢偉選手の速さを十分に披露した一戦でした。

カウルに掲載された”BULE”の文字は後に発表されるチェルシーFCとのスポンサー契約のティザー広告でした。最近のF1は各チーム頻繁に異なるスペシャルカラーを採用するので特別カラーリング・特別ロゴは目新しいものではなくなりましたが、こうしたスポンサー契約を示唆するだけのティザー広告はこれを最後に見かけない気がします。ザウバーC1のロゴしかり、この頃のザウバーは不思議なスポンサーばかりでしたね。結局どれも金欠問題の解決策にならず、可夢偉選手のシート喪失につながったのが悲しい……。

このミニカーもこの年の日本GPで現地販売されていた限定パッケージの一台でした。こちらは鈴鹿サーキット50周年を記念したものですね。可夢偉選手自身の記念マシンではないので当時は現地スルーしましたが(というか金欠で両方とも買えなかった……)、後に両方揃えたくなって買いました。でもやっぱり現地で買ったものとは思い入れが違うかな。

好グリッド獲得も結果には結びつかなかったこのレース。一因となったグリッドのオイル漏れも過去の例から上位チームの抗議であれば拭き取りが認められたかもしれません。作戦面やピットストップも不十分で、中堅チームで表彰台を獲得するには速さだけでは足りないんだということを教えてくれたレースとなりました。それでも当時得点はなく戦略的価値の無かったファステストラップを記録したことで、純粋なザウバーC31小林可夢偉のパッケージの速さを見せつけてくれました。まだまだ希望を持っていた前半戦でしたね。

このレースで初優勝を挙げたロズベルグ。しかし1-2フィニッシュも可能だったメルセデスはシューマッハがピットでのタイヤ取り付けミスでリタイアとなってしまいます。これを受け、当時は「メルセデス内にシューマッハを追い出したい派閥がある」なんて噂が流れていましたね。その後のハミルトン加入を思うと、案外火のないところに煙は立たないのかも……。

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