虎穴に入らずんば

【ミニチャンプス マクラーレンMP4-25 J.バトン オーストラリアGP 2010】
ブラウンGPでチャンスを掴み、チャンピオンとして母国の名門マクラーレンに加入したバトン。絶対エースのハミルトン相手にやれるのかと世界中が懐疑的でしたが、結果は結構やれました。

移籍早々、第2戦オーストラリアGPで得意の雨絡みのレースを制してハミルトンより早く優勝を挙げたバトン。続く第4戦中国GPでも同じようなコンディションのレースを制し、序盤戦で早くもハミルトンに勝てるとアピールに成功しました。
中盤以降はじりじりと差をつけられ最終的なポイント差は1勝分以上とかなりあったのですが、最初にいい印象を植え付けていたためそれほど悪く感じません。この辺がバトンの上手いところですよね。

タイトルを争った5人の中では最も少ない2勝で、かつ前半戦だけだったので中盤以降の活躍があまり記録に残りませんが、勝利は逃したもののいい活躍をしたレースはいくつかありました。
特にイタリアGPでのアロンソとの緊迫の首位争いはお気に入りです。当時ブリヂストンタイヤの性能が過剰に良かったためアロンソにオーバーカットされてしまいましたが、Fダクトを用いて高速モンツァでウイングを立てて戦うバトンの姿は鮮明に印象に残っています。

その秘密兵器「Fダクト」、この年のトレンドデバイスとなり各チームが模倣しましたがマクラーレンではハミルトンよりバトンの方がうまく使えていたのか、モンツァのように使用が分かれた時は彼のみが使用していました。
そんな背びれを活かしたトレンドデバイスを生んだこのマシンは2008年に始まりこの年で禁止される「F1大型背びれ時代」を象徴する一台ですね。

ここから2016年まで7年間も在籍することになったマクラーレンでの初年度。やはり早期に結果を出すのは大事で、シーズン大半でハミルトンの後ろを走行していたのですが「負けた」という印象は少ないです。
しかし唯一擁護できない、突出して悪かったのが韓国GPで、グリップが全くないと訴えノートラブルなのに12位完走と謎が残ります。ライバルが上位でタイトル争いを進める中、一人後方でスピンを連発していたあれ、なんだったんでしょうね……?
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