スーパーアグリ SA08 佐藤琢磨

スーパーアグリ2008

看取った最後

【ミニチャンプス スーパーアグリSA08 佐藤琢磨 2008】

スーパーアグリの3年間の挑戦ラストイヤーとなった2008年。深刻な資金不足に陥りテストもできないまま開幕を迎え、最後尾を漂い続けその姿を消しました。

ほぼほぼ記憶にないスーパーアグリの2008年シーズン。私はこの年F1を観始めて3年目の新参だったので、前年中団にいたチームが一瞬で圧倒的な最後尾まで低迷することに衝撃をうけました。当時はチームに明るい話題もなく、延命措置のような4戦が続きましたね。

最終レースとなったスペインGPでは格上レッドブルのマシンに乗りながら引退目前で衰えが顕著だったクルサードを数周に渡って抑え込み、最後の意地を見せました。このバトルは入賞圏外の超・下位争いだったのですが、世界中がこれが最後のレースであろうことを察していたので手厚く国際映像で中継されましたね。

ほぼほぼ開発が行われず、前年マシンのカラーリングにわずかな変更を加えたに留まった「SA08」。前年からマシンの規定が大きく変わっていないのでそれなりに通用していた「SA07」をモディファイすれば何とか戦えるのではないかと素人目に思いましたが、このマシンを通してF1の開発競争のすさまじさを知ることとなりました。

スーパーアグリの処遇にあたっては日本のスポンサー問題や良くない噂も多いホンダとの関係などあまりいい話を聞きません。個人的にはそれらをわざわざ深堀して嫌な気持ちになるつもりもなく、粛々とチームをの最後を看取った思い出があります。私にとってスーパーアグリは最初に立ち上げをみた新規チームであり、最初に撤退を見届けたチームでもあるのでこのスポーツがいかに過酷かを教えてくれた教科書のようなチームでした。

まぁ、翌年のリーマンショックは絶対生き残れなかっただろうし、現在のようなお高いF1にも馴染まないし、時代の一部ということなんでしょうね……。

高級モデルカーという世界に優しく誘ってくれたのが親しみあるこのスーパーアグリでした。ミニカーを買うほど応援に熱が入るチームでなければ、このブログも生まれなかったことでしょう……。

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