2017 シンガポールGP 感想

GP感想

それはだめだよ……

母国イタリアGPで逆転を許し、優勝必至だったフェラーリとベッテル。ポールを獲得しておきながらわずか数秒で2台揃ってリタイアしてしまいました。レーシングアクシデントとの裁定で、明確に誰が悪いというわけではないのでしょう。でもフェラーリの2人はポジションを下げてでも絶対に避けるべき事態だったはずです。

過去を見るとどんなにレベルの高いタイトル争いでも両者1回は無得点レースがあるものです。いずれハミルトンも1度はリタイアするはずですが、それが勝てるレースを落とすのかダメージ低減レースで無得点なのかはわかりません。フェラーリは勝てるチャンスを1度不意にして3点を逆転するどころか25点も点差を広げられてしまい、残り6戦しかないことを思うと逆転はかなり厳しいでしょうね。

スタートのアクシデントに巻き込まれ吹き飛んでいったアロンソ。そのままスピンターンで何事もなかったかのようにレースに戻っていったのは驚きでした。しかしこのダメージなので結局リタイア。お決まりのノーパワーもありました。

予選後インタビューで1周目の順位が大事、だからスタートが肝心と語っていた彼ですが、有言実行でトラブルに巻き込まれなければ3位浮上も見えていました。さすがの一言です。マクラーレン・ホンダにとっては最大のチャンスでしたが、バンドーンだけでは地味なレースでしたね。ホンダとの契約解消とルノーへのスイッチが正式に発表されたので、もう今年は1レースの結果に一喜一憂しなくて済みます。

表彰台なしの出走記録を更新したヒュルケンべルグ。スーティルを超えての記録更新ですが、実力は明らかにヒュルケンべルグの方が上ですよね。スーティルはビジャイ・マリヤの寵愛を受けてフォースインディアで出走回数稼いできましたから、ペイドラたちに押しのけられながらも実力でシートを転々と確保してきた彼とは事情が違います。

今回も表彰台に期待を抱かせる場面がありましたが、最後はトラブルでリタイアでした。129回のレースで何度こうしたチャンスを見てきたことでしょうか。いつになったら彼がポディウムに上がれるのか、とても待ち遠しいです。きっと中盤に可能性が見えてくるようなレースではだめで、ラスト3ラップくらいで3位が降ってくる展開じゃないと無理なんだと思います。

終わってみればハミルトンがレースを支配していました。上位から落ちて追い上げようにもまさかの雨、ツキはベッテルにありそうでしたが結局はハミルトンが上位に返り咲くための恵みの雨でした。土曜日までは完全に蚊帳の外だっただけに、このペースの挽回は驚きです。上位で唯一生き残っていたリカルドも歯が立ちませんでしたからね。

無線のとおり「車を持ち帰るレースだ」というのが全てでした。メルセデスが強いのはこういうところをチームが徹底できているところですよね。フェラーリは絶対無線で言わなさそう。

次は去年ハミルトンが首位独走からエンジンブローした悪夢のマレーシアGPです。また同じことがないとも限りません。ベッテル絶体絶命のピンチからハミルトンがまさかのリタイア、なんてドラマチックなポイント争いにならないですかねぇ。

コメント

  1. 黒男 より:

    2012年のベルギーGPを思い出すほどの荒れたスタート。ハミルトンをマークせずフェルスタッペン潰しに行ったベッテル、チャンピオンはほぼ絶望的なんじゃないかと思ってしまいます。
    不運なアロンソ、ヒュルケンの一方で、サインツ、ストロールの若手が素晴らしい仕事をしていたのも良かったです。