マシン特集:映画になったF1マシン

ドライバー・マシン特集

せっかくの長期休みはF1を題材にした映画を観るのはいかがでしょうか。

ブラッド・ピット主演の最新作「F1 The Movie」以外にも、F1を題材にした映画は半世紀以上前に作られた傑作がいくつも存在します。

今回はそんな各F1映画の個人的な感想と見どころ、そして登場マシンの紹介です。

1966年公開 グラン・プリ

初めて撮影されたF1を題材にした映画です。3時間超にわたる超大作で架空のシーズンを描きます。

F1ドライバーからトレーニングを受けた俳優がF3マシンを運転し、そのレースシーンを多角的に撮影した、今でも非常に見ごたえのあるレースシーンが続きます。この撮影に使われた技術が進化して後のオンボードカメラになったのだとか。

日本では馴染みの薄い60年代のトップドライバーたちですが、以下の数名は指南役だけでなく実名役で本編に登場。サーキットでは見せない自然な表情が見れる、貴重なレース映画です。

マクラーレン M2B B.マクラーレン

本作は1966年公開なので、ブルース・マクラーレンがチームを設立する直前の姿が映像に収められています。彼はこの数年後には他界してしまうので、すごく不思議な映像でした。

1961年チャンピオン P.ヒル

フィル・ヒルも本人役で登場。登場は少しでしたが、顔ですぐわかりました。

1962年チャンピオン G.ヒル

最も違和感なく俳優していたのはグラハム・ヒル。渋い髭とクールなルックスで、一目でわかりました。当時人気絶大だったのも頷けます。

ホンダ RA272 R.ギンザー メキシコGP

本作にはホンダを模した「ヤムラ」という日本チームも参加し、チャンピオンシップを争います。
この年代の映画の重要な一角を日本勢が担っているのは誇らしいですね。
リッチー・ギンザーも指南役としてクレジットされています。

1975年公開 F1グランプリ 栄光の男たち

激闘の末、悲劇的なドラマで終わった1973年を題材にしたドキュメンタリー映画です。シーズンの展開を追うドラマ形式ではなく、「F1とは何か、何が特別なのか」に焦点を当てています。

ティレルの2人が主役となり、ニュルブルクリンクのコース解説で超人的な分析能力を見せるスチュワートと、彼への絶大な信頼が伺えるセベールのインタビューが見どころです。

現在配信がなく視聴方法が限られているのがネックですが、ぜひ見てほしい作品です。

ティレル 006 F.セベール

撮影時は誰もが次世代のスターだと疑わなかっただろうに、その最後は映像すら残らずテロップで告げられるだけの衝撃エンドとなった本作。一気に現実を突きつける最後の余韻が重いです。

1973年チャンピオン J.スチュワート

現在も度々サーキットを訪れるスチュワート卿。この映画を見ると、彼のF1を見る視線の意味を感じられるようで、その姿を見る目が変わります。

2010年公開 アイルトン・セナ~音速の彼方へ

セナをトリビュートした伝記映画で、全てのシーンが実写とコメンタリーで構成された壮大なドキュメンタリーとなっています。

彼のことを一切知らない私でも、彼がどんなドライバーで、どんな人生を送ったのか、そのキャリアと周囲の熱狂ぶりが良くわかる素晴らしい伝記映画です。
特に、多少の演出はあるにせよ、サンマリノGPでの一連の彼の表情・動揺は本当に「本物」で、忘れられないワンシーンとなりました。

ドライバー特集:A.セナ

2013年公開 ラッシュ/プライドと友情

1970年代半ばを争ったライバル、J.ハントとN.ラウダの戦いに焦点を当てたこの作品。
走行シーン撮影用にマシンが用意され、70年代のレースを見事に表現した迫力ある映画です。

個人的には終盤に互いにトップチームに上り詰めた二人が争うまでの、プライベーターチーム「ヘスケス」から成りあがる前半パートが大好きでした。
コスワースDFVエンジンを用意して資金とドライバーを集めればF1参戦ができる、そんなF1最後の貴族文化が色濃く映されている貴重な映画だと思います。

1976年チャンピオン J.ハント

両名が故人となったことでいよいよ歴史の一部となった本作品。70年代のF1は貴族文化とグローバルカルチャーがミックスされた独特な空気感がありますよね。私はこの年代が別格に好きです。

フェラーリ 312T2 N.ラウダ

歴史に残る大クラッシュからの九死に一生と復帰劇が描かれた本作品。「グラン・プリ」のラストもそうですが、戦いの激しさを描いた先にその意味を問うエンドになるのはF1テーマの必然なのでしょうか。

2025年公開 F1 The Movie

F1を題材にした映画は直近のラッシュ/プライドと友情(2013)が最後だったため、約12年の年を経て公開されたF1テーマの最新作。

ブラピ演じるベテランドライバーが難題に挑む様は王道展開ながらもレースファンには突っ込みどころ満載だったのですが、最新でリアルな映像美による圧倒的な没入感があり、満足感の高い作品でした。

特に現役ドライバーが実名役で多く登場し、F1ファン向けの映画としては完璧の出来だったと思います。でもあんまりこの映画由来の新規ファンってまだ聞かないですね……。

F1 THE MOVIE – APXGP S.ヘイズ

近年のアイルトン・セナ、ラッシュは公開時に関連ミニカーのリリースがありましたが、本作は架空のチームとあってかモデル化には恵まれませんでした。
商魂逞しいハリウッドがこれを見逃したのは意外でしたね。