生か死か

【アシェット フェラーリ312T2 N.ラウダ 1976】
映画「RUSH」にも描かれたラウダの1976年シーズン。連覇に向けて順風満帆の序盤から一転、大事故、生還とドラマチックな最終戦の結末という、非常に物語性のある一年です。

前年初タイトルを獲得したラウダ。この1976年シーズンも開幕9戦で5勝を挙げ、連覇間違いなしという勢いを見せました。
しかし第10戦ドイツGP、ニュルブルクリンクで大クラッシュを期し炎上したマシンに取り残されて大やけどを負うと、以後2戦の欠場を余儀なくされます。

奇跡的にイタリアGPで復帰を果たし4位入賞をするのですが、その後は優勝がなく、マクラーレンのハントとのタイトル争いの天王山となった日本GPでは悪天候を理由に出走を取りやめ、安全を重視して王座争いから身を引きました。
ここまでの事故の経緯やその後の彼の葛藤については映画「RUSH」に非常に細かく描かれていますので、ぜひ観てみてください。

事故前はリタイア以外全戦表彰台という圧勝ぶりだった「312T2」。しかし両ドライバー安定していたわけではなく好成績はラウダに集中し、僚友レガツォーニは1勝2位3回で王座防衛はできませんでした。
チームがラウダ一強体制に傾いていき、その後彼の離脱で暗黒期に陥るという、将来を示唆しているかのような一台です。

この年の大事故を経てもF1への挑戦はやめず、翌年は王座に返り咲いたラウダ。晩年まで残った痛々しい顔のやけどの跡が彼の決意を感じさせました。
事故をきっかけにキャリアが経たれるドライバーも少なくない中、「わずか1回タイトルを逃した」だけに終わったラウダのこの1年は歴史を見ても非常に奇妙、というか驚異的ですね。
この年を制したハント。二人の仲はメディアが語るほど悪くないという裏側もまた面白いです。
今では二人とも故人かぁ……。











































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