全身全霊のタイトル奪取

【ミニチャンプス メルセデスW07 N.ロズベルグ アブダビGP 2016】
3年連続メルセデスのチームメイトバトルが続いた2016年シーズン。ロズベルグは前年の完敗劇から一転、死力を尽くした戦いでハミルトンと僅差の争いを制します。

全21戦で争われた2016年シーズン。メルセデスが19勝を挙げる独走劇となりましたが、前年までとは異なり2人のドライバーが勝利を分け合いました。
激化するチームメイト同士の戦いが続く中でチーム内の緊張も高まり、スペインGPではついに初めて同士討ちによるダブルリタイアが起きてしまいました。

この年はハミルトンにマシントラブルが頻発し、序盤戦は優勝のチャンスを逃してロズベルグに4連勝を許してしまったほか、終盤のマレーシアGPでは致命傷となったエンジントラブルなど肝心なタイミングで得点を逃してしまいます。
その間ロズベルグは着実にポイントを重ねてハミルトンの自力優勝の可能性を打ち破り、最後の4戦では2位を死守というミッションを見事にこなして初めてのタイトルを獲得。ヒル家に並び史上2例目の親子チャンピオン獲得という大記録を樹立します。

PU規定3年目になっても最強メルセデスの地位は揺るがず、この年は圧勝劇を見せた1988年のマクラーレン・ホンダの勝率が比較対象に取り上げられるほどでした。
他チームはレッドブルの両ドライバーが1勝ずつを挙げたのみでフェラーリは0勝に終わった2016年、メルセデスにも珍しくトラブルが頻発していたとはいえ、そのほぼすべてがハミルトンに襲い掛かるなど天がロズベルグのタイトルを後押ししていたかのような幸運が続きます。

死力を尽くして戦ったロズベルグはタイトル獲得から数日後、「もう二度とこんな戦いはできない」として電撃引退を発表しました。
当時ロズベルグのタイトルはハミルトンに一歩的に発生したトラブルの影響も大きく、「王者に相応しくない」との批判や「勝ち逃げだ」という声も多くありましたが、彼の引退後にハミルトンが無敵状態で快進撃を続けていく様を見て「最強ハミルトンを倒した男」として時間と共に評価を上げています。
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