ザウバー C31 小林可夢偉 日本GP

信じた日

【ミニチャンプス　ザウバーC31　小林可夢偉　日本GP　2012】

日本中が待ち望んだ小林可夢偉の初表彰台。あの長い長い不運のトンネルの終わりを待った2012年シーズンのように、このミニカーの発売も通常版から遅れ、スパークからも遅れ、2年経ってようやく発売されました。アナウンスは日本GPの直後にあったんですけどねぇ……。

小林可夢偉初の表彰台、鈴鹿での表彰台、私が始めて現地観戦したレースでの日本人表彰台と、とにかく思い出づくしのマシンです。1年間可夢偉選手を応援し続けて、チームのミスや不運に泣き、マレーシアGPやイタリアGPでは僚友ペレスの大活躍をもどかしい思いで見てきた2012年シーズン。ついにやってきた母国日本GPでの表彰台は観客全員の共通の願いで、予選で4位（スタートグリッド3位）を獲得した時は驚きや満足よりもまず一歩という安堵感がサーキットにありました。

前年の上位グリッドからのスタートミスの経験もあって、抜群のスタートを決めて2位に浮上した可夢偉選手。レースでは後続のバトンを注視するあまりピット戦略でマッサに抜かれてしまいましたが、最後まで見事にそのバトンを抑え切り3位表彰台を獲得してくれました。サーキット中が緊迫した空気の中、場内アナウンスが周回カウントを一周間違えていて一瞬ぬか喜びした記憶まであります。チェッカー後のラップでは観客総立ちで可夢偉選手に拍手をしましたよね。

日本GP仕様のミニカーではヘルメットデザインの変更はもちろん、ヘッドレストのスポンサーやチェルシーFCのロゴなどが追加され、通常品や他のGP仕様とは見た目が大きく異なります。特別感があっていいですね。一方であまり気に入らなかったのがサイドポッドのウェザリング塗装で、最初は塗装落ちかと焦ってしまいました。実際もこのように汚れてはいるのですが、あまり上手く再現されているとは言えないですね。

3位1回という結果は日本人最速のドライバーとして期待された彼にとっては十分ではありませんでしたが、リーマンショック後にメーカーやスポンサーのバックアップもないまま孤軍奮闘し、純粋なドライレースで表彰台を獲得して実力見せてくれたことは応援してきたファンにとって十分な結果でした。
この時期にはもう翌年のシートの大勢が決まっていて、たとえ優勝したとしても残留すら難しい状況に追い込まれていた可夢偉選手。翌年のことやトップチームへの移籍など将来のためではなく、純粋に目の前のレースで表彰台は見たいという願いをもって鈴鹿入りし、金曜日から土曜日、そして日曜日へと時間が経つにつれ表彰台への期待は確信へと変わっていった時間は一生の思い出です。