史上最年少の3冠をかけて

【ミニチャンプス レッドブルRB8 S.ベッテル ブラジルGP 2012】
序盤に出遅れたベッテルと、駄馬を操るアロンソとの一騎打ちとなったシーズン。最年少2連覇を記録した王者2人が3度目のタイトルを、そして現役最強の座を賭けて戦います。

全20戦で争われた2012年シーズン、タイヤルーレットとも呼ばれた戦力図の混乱で、開幕から7戦連続で異なるウィナーが誕生し混迷のシーズンになるかと思われました。序盤はマクラーレンが最速ながらもミスを連発し、抜け目無くフェラーリのアロンソがポイントを重ねます。対してレッドブルはエキゾーストの処理に苦労し、前半戦わずか1勝と大きく出遅れました。

コアンダエキゾーストを改良したレッドブルは後半戦の最速マシンとなりますが、今度はオルタネーターのトラブルが頻発。取りこぼすベッテルと、競争力に劣るアロンソとの終盤戦で、緊張感のある最後を迎えます。最終戦のブラジルGPでベッテルはオープニングラップ中に接触してスピン、最後尾まで後退しいよいよ万事休すかと思われましたが、フロアにダメージを受けながらも再び走り出すことができたことで王座を維持することに成功しました。

レッドブル狙い撃ちとなったブロウン・ディフューザー規制への対応と、頻発するエンジントラブルに悩まされ「RB8」が信頼性と速さを両立できたのは最終盤の数戦のみでした。この年のトレンドとなった段差ノーズを搭載していますが、過去数年とは異なり他のチームから研究されるようなトレンドリーダーのマシンというわけではありませんでした。

1対1、チームを挙げての総力戦というと2006年以来で見ごたえのあるタイトル争いとなった2012年。ベルギーGPでグロージャンが事故を起こさなければ、ブラジルGPで接触したベッテルのダメージがもっと深刻であれば、王座の行方が変わるたらればがいくつもあります。
夏休み前の表彰台獲得はわずか4回でいよいよ王座陥落かと思われたベッテルですが、シンガポールGPから怒涛の4連勝で一気にタイトルコンテンダーとなり、アロンソの不運と自身の幸運もあってタイトルを獲得し、史上最年少連覇記録を「3」に伸ばしました。
コメント