孤軍奮闘

【ミニチャンプス ザウバーC32 N.ヒュルケンベルグ 2013】
孤軍奮闘とはまさにこのこと、資金難のチーム、ひどい作戦、役に立たないチームメイトの環境でポイントを稼ぐ大黒柱として活躍しました。

2012年の活躍を見て、表彰台を期待して移籍してきたヒュルケンベルグ。しかし実態は古巣フォースインディアにも負けるレベルで、苦しい1年になりました。特に前半戦はそのまま残留していれば何度か表彰台争いができていただけにポディウムへの運のなさを象徴する一台でもあります。

ザウバーはこの年からカラーリングをグレーベースに刷新しましたが、2010年のヒスパニアとよく似て資金難に苦しみます。それでもこのマシンには最大の特徴である薄型サイドポッドを開発して搭載しました。2011年のモナコGPでペレスが側面から大クラッシュした事故に着想を得たというデザインはマシンの最高速向上に繋がったものの、大きな成績向上には繋がりませんでした。

極薄サイドポッドでドラッグを減らしてストレートスピードを得た一方、ダウンフォースが減ってメリットを相殺してしまう弱点もあったこの「C32」。面白いアイデアでしたが前年のコアンダエキゾーストほど画期的なものではなかったようです。
しかし小林可夢偉を切ってペイドライバーを雇った割にスポンサーが少ないですね。チームの財政面を支えたペレスが離脱したことで、ザウバーはアルファロメオに救われる2018年まで存続すら危うい火の車体質が続きます。

マシンのセットアップが向上して、終盤戦でようやく速さを見せたこのマシン。ヒュルケンベルグはイタリアGPで予選3位、韓国GPで4位完走と時折光るペースを見せたものの、結局表彰台には届かない一年とりました。ザウバーにはこの1年で見切りをつけて翌14年から古巣フォースインディアに復帰するのですが、彼のキャリアはこの寄り道の多さがもったいないんですよねぇ。
コメント