オーバーテイク連発
【ミニチャンプス ザウバーC29 小林可夢偉 日本GP 2010】
トヨタF1で華々しいデビューを飾りながら、リーマンショックの煽りでチームが撤退しF1で孤軍奮闘することになった小林可夢偉のザウバー時代。まさに荒波に立ち向かうといった姿で、日本人ドライバーの中では一番お気に入りです。
BMWからの不幸な置き土産と揶揄されたほどC29の戦闘力と信頼性は乏しく、前半戦は目立った活躍もありませんでした。しかし中盤ヨーロッパGPで終盤の追い上げが注目されると、以降は国際中継に映されるバトルやオーバーテイクが増えていきました。
なんとか中団チームとして戦える状態で迎えた日本GPでは可夢偉選手はまさに主役級の活躍で、オーバーテイクを連発します。特にこれまであまり見られなかったヘアピンでの追い抜きを連発し、観客だけでなく優勝候補ながら早々にリタイアしてしまったクビサをも楽しませたほどでした。
最も目立つカウルのC1のロゴ。名称は「ザウバークラブ1」でしたっけ? ペーター・ザウバーが名乗り出たくない支援者もいると説明していましたが、そんなの資金洗浄くらいしか思いつかないですよね? やはり、可夢偉選手を一人取り残すことになったトヨタから何かしらの支援があったのではないかなぁと思いたいところです。
レース中二度もアルグエルスアリと接触したことでサイドポッドにダメージを負いましたが、それでもペースは下がりませんでした。トップスピードで劣るマシンだったのでヘアピンで抜いた、という発想に当時は驚いたものです。
ミニカーはスパークからもリリースされていますが、あちらの通常品ではこのダメージ仕様がありません。しかし翌年のC30では日本GPのハイライトとなった130RでDRS開けっ放し予選の様子が再現されており、この時期は二社とも志向を凝らした人気モデルをリリースしました。
この年の活躍で、ヒュルケンベルグ・ペトロフらを破り英Autosportsのベストルーキー賞を受賞した小林可夢偉。日本メーカーの支援がなくても十分一人で通用する才能を見せていくのですが、残念ながらこの時期のF1の経済支援要求は留まるところを知らず、活躍してもシートに繋がらない困難のザウバー時代が始まっていきます。
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