ウイリアムズ FW44 A.アルボン

ウイリアムズ2022

こんなキャリアが待っているとは

【ミニチャンプス ウイリアムズFW44 A.アルボン 2022】

フォーミュラEのデビュー直前にトロロッソでのF1契約が決まり、半年でレッドブルに昇格するもその後シートを失ったアルボン。ジェットコースターのようなキャリアでしたが、ウイリアムズ入りでついに安住の地を得ました。

2020年にレッドブルのドライバーとしてフル参戦したものの、新人2年目がトップチームでコロナ禍の混乱したシーズンを戦うことは難しかったのか3位表彰台2回に終わったアルボン。その後ペレスにシートを奪われる形でサードドライバーに降格し、2021年は後輩の角田くんのメンターを務めるというもどかしい1年を過ごしていましたが同期のラッセルがメルセデスに昇格して空いたシートを射止め、ウイリアムズのエースとしてF1にカムバックを果たしました。

前年にラッセルが2位表彰台を獲得したもののウイリアムズが完全復活したとはいえず、2022年は両ドライバー計5度の表彰台に終わりました。ただ明らかなテールエンダーだった過去数年と異なり入賞まであと一歩の11-13位での完走も増え、ウイリアムズというチームが正しい方向に進んでいることは明確でしたよね。彼を引き抜いたヨースト・カピート、そして後任のジェームズ・ボウルズ両代表からの評価も非常に高く、躍進に向けたチームの柱としてアルボンはエースの役割を担うようになりました。

2022年からの空力新規定で刷新されたマシン形状ですが、ウイリアムズはPU提供を受けるメルセデスの影響を受けたのか開幕当初サイドポッドがかなり小型の設定でした。当然本家共々設計ミスだったのですが、ずるずると1年半もコンセプトを引きずったメルセデスに対してウイリアムズはシーズン半ば早々にサイドポッドをレッドブル化に刷新、さらに軽量化のためにカラーリングをゴリゴリぞぎ落としていくなど、過去数年にはなかった速度でアップデートを投入していきました。デフリースがデビューした後半戦仕様は別物のマシンになっていましたね。

入賞3回、最高位9位とトップチームを経験したドライバーには物足りない成績だった2022年。しかしアルボンはようやく安住の地を手に入れ、チームも彼を信じてアップデートを投入するなど以降は好循環で物事が進んでいきます。ウイリアムズとの契約時にレッドブルとの関係は清算されたと発表があったものの、中団でミスのないアルボンの評価は高く度々復帰の噂もちらほら出てきますね。ドライバーは評価が高まり選択肢が増え、チームもようやく実績あるドライバーを手にして開発が進む、近年稀に見ぬ素晴らしい移籍劇でした。

半年しか在籍していなかったのであまり印象に残らないアルボンのトロロッソデビューマシン。もうレッドブルで走っていた時代の印象すら薄くすっかりウイリアムズのドライバーですね、なんて書いて気づきましたが彼がレッドブルを走らせていたのはもう4年も前なんですね……。コロナ禍以降毎年あっという間にF1が終わるんですけど、記憶に残らないのはいよいよ歳のせいなんでしょうか……。

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