将来が心配に……
【ミニチャンプス メルセデスW14 G.ラッセル 2023】
ランキング3位を獲得したチームメイトに対して8位止まりと大きく差を付けられたこの年のラッセル。前年初優勝を挙げた勢いが続くと思われましたが、この年は全く目立たない1年となってしまいました。
年間表彰台が3位2回という、トップチームにあるまじき成績となってしまったラッセル。チームメイトに50ポイント以上も離されてしまったのですが、記憶に残るのはシンガポールGPで優勝争いを見せるもファイナルラップにクラッシュしてしまった場面くらいで、本当に淡々と数ポイントを稼いでいた印象が強いです。
よくよく記録を見返すとカナダGPでアロンソを追い詰めている途中のクラッシュや、ラスベガスGPでは後方不注意でフェルスタッペンにぶつけてしまうなど不用意なミスがちらほら。対して好成績はほぼなく、最終戦の3位もペレスのペナルティによるところが大きいので純粋なベストリザルトはスペインGPの3位獲得になるのでしょうね。本当に不調な一年でした。
前年はチームの未勝利危機を救い、ゼロポッドコンセプトの救世主となったラッセル。初優勝を果たした翌年とあって気合も入っていたと思うのですが、予選ではハミルトンと大差がないものの決勝リザルトで引き離される苦しい一年でした。この人の持ち味はデビューから変なミスをしない堅実性だったと思うのですが、キャリアでは珍しく空回りだったのかなぁ。
2024年シーズン開幕前のインタビューではこの年の苦難を認めつつ、タイトル獲得前のフェルスタッペンの数年間を引き合いに将来に向けての準備期間だと受け入れたと語っていました。その後ハミルトンのフェラーリ電撃移籍がありましたが、首脳陣から当面ラッセルをリーダーに据えると明言されるなどチームからの支持は厚い様子。7月時点では決まっていない2025年のチームメイトですが、来年は彼を軸に進むと思うので結果を残してほしいですね。誰と組むかによりますが、アントネッリが噂通りの大物で結果をすぐ残すとラッセルはキャリアの岐路に立たされてしまいそうです……。
チームメイトに圧倒されたラッセルですが、そのハミルトンもかつては結果が出ずに通年苦しむシーズンがありました。共に25-26歳だった当時の二人を比較すると、この年のハミルトンの態度に比べれば結果が出ずとも黙々とレースに取り組むラッセルがいかに真面目なドライバーであるかということがわかりますよね。
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