ホンダ RA106 J.バトン

ホンダ2006

待望の初優勝

【ミニチャンプス ホンダRA106 J.バトン 2006】

2000年のデビューから長らく優勝できず、タクシードライバーとまで揶揄されたバトンが待望の初優勝を挙げたマシン。第3期ホンダにとっても唯一の勝利というメモリアルな一台ですが、残念ながらモデル化にはあまり恵まれませんでした。

2004年の躍進と翌05年の失速を経て、BARと決別してオールホンダ体制として挑んだこの年。第3戦オーストラリアGPでポールを獲得し、シーズン早々に好調さを見せました。ただこのレースの最終盤でエンジンブローを期してしまい、数ポイントを捨てて「次のレースで優勝を目指す」ために意図的にゴール直前でリタイアしましたが、ここから表彰台どころか入賞も苦しい不調のトンネルに陥りました。

低迷のピークは中盤のフランスGPで、バトンはQ1落ちからの2台揃ってエンジントラブルでリタイアという、とても序盤にポールを獲ったとは思えない失速を見せます。しかし何が好転したのか、次戦以降バトンは全戦入賞を果たし、ハンガリーGPで待望の初優勝を挙げることになるのでした。

第三期オールホンダ初年度にして唯一勝利を挙げたマシンながら、そのハンガリーGP仕様は1/43,1/18共にこの頃のミニチャンプスで頻発した意味不明な直立スタンディングフィギュアでお茶を濁すという最悪のモデル化がなされました。バトンにとってもホンダにとっても一生もののレースながら、結局この通常版が一番マシというモデル化には恵まれていない一台です。

オーストラリアGPでの意図的なリタイア以降の失速ぶりで、貴重な数ポイントを捨てたことを叩かれ続けたこの年のホンダ。優勝を果たし、バトンは終盤最もポイントを稼いだドライバーとなったことで大躍進の印象が強いのですが、これ以降の撤退までを思うとわずか半年のフロックだったようにも思えます。でもまぁほんと、リーマンショック前に結果を残せてよかったですよね。これがないと第三期を振り返るものがほぼなくなっちゃいますからね。

コメント