彼がエースだった時代

【ミニチャンプス BMWザウバーF1.07 N.ハイドフェルド 2007】
BMWザウバー参戦2年目、ハイドフェルドがエースを務めていたこの2007年。堅実な成績でチームをリードしますが、後を思うとこれが最後の輝きでした。

2度の表彰台で自己最高位となるランキング5位を獲得した2007年のハイドフェルド。トラブル以外での取りこぼしは大雨で荒れた日本GPのみと、持ち前の安定感を発揮して上位入賞の常連でした。
フェラーリvsマクラーレンの2強以外で唯一頻繁に中継に映る第三勢力として、彼のキャリアの中で最も印象深い一年だったかもしれませんね。

フル参戦初年度の僚友クビサも入賞を連発し才能をアピールしていましたが、この年は半分以上のレースでハイドフェルドが前を行きました。そんな結果もあり、印象共々ハイドフェルドがエースを務めたシーズンというイメージが強いです。
ただ力強くチームをリードするも二強との壁が厚く、差が縮まった翌年にはチームメイトに凌駕されるというめぐり合わせの悪さがハイドフェルドのキャリアを象徴しますね……。

大型化したサイドポッドフィンを取り付け洗練されたこの「F1.07」。もう少し結果が出ていればこれも歴代上位にくる好みの一台になったのですが、残念ながらBMWザウバー4年間の中では最も印象の薄い一台となってしまいました。完全にベッテルのデビューマシン扱いですね。

大荒れのカナダGPでの2位、そしてマクラーレンの内紛が予選中に起きたハンガリーGPで3位と上位二強の隙を見逃さず確実に表彰台を獲得したハイドフェルド。この年の戦力差を考えれば値千金の結果だと思うのですが、タイトル争いが過熱しすぎて彼の功労が正しく評価されることはありませんでした。
ランキング順位、獲得ポイント共にキャリアベストの成績ながら、あまり注目されないまま翌年クビサに追い抜かれてしまいます……。
ベッテルのデビュー、クビサの大クラッシュに話題を持っていかれてしまったこの年。功労者なのに3人の中では一番安価に手に入ります。
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