大物ルーキーデビュー

【ミニチャンプス ウイリアムズFW40 L.ストロール 2017】
数多いるペイドライバーの中でも別格の資金力を持つドライバーとして話題を集めたストロールのデビューイヤー。この年はまさかここまで成長するとは思いませんでした……。

契約に基づいたスポンサーシップではなく、父親の親族マネーで参戦という当時珍しいペイドライバーだったストロール。
ただその資金力が他者の比ではなく、盤石の資金で好調ウイリアムズのシートをお買い上げしたのに加え、選手権と並行して鈴鹿を含む世界各地でプライベートテストを実施するなど手厚い体制でのデビューとなりました。

そんな厚遇でデビューしたストロールでしたが実力は疑問視され、当のチームもボッタスの引き抜きに伴い引退したマッサを呼び戻すなど舵取りを託せる信頼はなかったのでしょう。
案の定その疑念は当たり、開幕3レースで完走ラップはわずか52周と1レース以下に留まり、アドバイスしたマッサに対しては「彼から学ぶことは何もない」と言い切るなど前途多難な問題児という印象が最初は強かったですね。

そんなストロールですが大方の予想を裏切り、荒れたアゼルバイジャンGPでは展開を味方に3位表彰台を獲得しました。これはフェルスタッペンに次ぐ史上2番目の若さでの表彰台記録となっています。チームとしてもこれがこの年のベストリザルトとなりました。
こうして初年度に表彰台を獲得できたからこそ、父親は息子を信じてその後の大規模な投資に踏み切ったのだろうと思えますよね。後にワークスチームまで設立するのですから、この3位が与えた影響は大きいなぁ……。

そんな好成績を残すも、その後ミスが一切減らずに表彰台もまぐれ扱いされてしまった1年目のストロール。翌年からチームが低迷すると存在感を消し、フォースインディア買収という新たなチャプターへと進みます。
そんな彼の功績はその成長もさることながら、中途半端なペイドライバーを消したことでしょう。彼を筆頭に現在F1は大富豪の親族からの確実な資金がなければ参戦できません。この時期無数に存在した数戦しか参戦できない弱小ペイドライバーが以降登場しなくなったのはストロール家の大きな成果ですね。
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