フェラーリからデビュー
【ルックスマート フェラーリSF-24 O.ベアマン サウジアラビアGP】
サインツが虫垂炎で欠場し急遽フェラーリのシートを得た新人ベアマン。土曜日からの出走で難コースのサウジアラビアGPに挑みましたが、7位入賞と非凡な成績を残しました。
2021年にフェラーリの育成プログラムに加入したベアマン。その後2022年はF3で3位、2023年はF2で6位と下位カテゴリを制覇してきたわけではないものの、白羽の矢が立ち半世紀ぶりにフェラーリからの新人F1デビューという大役を任されます。結果予選11位から追い上げ7位入賞と、フェラーリはその慧眼を誇ることになるのでした。
この結果で一躍認められた彼はその後アゼルバイジャンGPでも欠場したマグヌッセンの代役としてハースから出走。こちらも市街地の難コースでフェラーリより競争力の劣るマシンでしたが2戦連続入賞を果たし、2025年からのフル参戦を勝ち取りました。メルセデスは新人アントネッリの起用を発表し、ウイリアムズはコラピントが躍動と次世代の才能が波のように押し寄せる時期でしたねぇ。
その後も相次ぐフリー走行出走や雨で大荒れとなったブラジルGPでのレースとデビューに向け着々と経験を積んでいきました。シーズンオフにはハースと提携するトヨタのルートからSFのルーキーテストに参加し、来年の日本GPに向け鈴鹿の予習まで完遂。シューマッハ&マゼピンでルーキーに懲りたハースがここまで肩入れするのですから、相当評価されて期待されているんでしょうね。
メディア・ファン対応も素晴らしく瞬く間に人気に火が付いているベアマン。サウジアラビアGPでの成功がこうさせたというよりも、フェラーリはその人柄や姿勢をよく評価したうえでチャンスを与えたのかなと現在から逆算して思えてしまいますよね。ただ個人的にちょっと残念だったのは彼もまた親が会社を営む裕福な生まれだったこと。だからこそ良い教育を受け素晴らしい人に育ったんだと思いますけど、結局「ビリオネアキッズクラブ」の一員だったのはちょっと悲しい。腕だけで這い上がってくる人はもういないのかなぁ……。
最近の育成プログラムはメディア対応などを見据えて人間性も見ている感じがしますが、結果よい教育を受けた2世や裕福な家のご子息たちしか残らないですよね。親のフェラーリを乗り回していたというアントネッリやこのベアマンより、家族が家を売ってチャンスを繋いできたというローソンの方が応援に身が入るかなぁ。と、思ったけど結局は結果を出していれば応援したくなるので、この世界はある意味平等なのかも。
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