トロロッソ初陣
【ミニチャンプス トロロッソSTR1 V.リウッツィ 2006】
レッドブル本体のF1参戦初年度で発覚した深刻なシート不足を解決するためミナルディを買収して設立されたジュニアチームことトロロッソ。日本人のエンジンひも付き採用などチーム・ドライバー間の連携はこれまでもありましたが、親子二世帯でチームを作るという大掛かりな投資でF1に参戦を進めます。
マシンはレッドブルRB1に酷似した形状でスーパーアグリと共にカスタマーカー論争を引き起こしましたが、こちらはレッドブルの前身で撤退したジャガーが開発したマシンだからセーフだと判定されます。さらに資金難だった元オーナーへの苦肉の策で認められたV10エンジンの継続利用もトロロッソに名前を変えてからも処遇が変わりませんでした。自動車メーカーでもない新参者がリーマンショック前のワークス全盛期によくこれだけ強気な立ち回りができましたよね。
ただ残念ながら、今のアルファタウリがそうであるように親が優秀だからといって子がそうとも限らず、複数回の入賞を果たしたRB1も元ミナルディの運営に掛かれば荒れたアメリカGPでの入賞1回に留まりました。ベッテルやフェルスタッペンが異常なだけで、このチームが抱える能力不足の問題点は設立当初から変わりませんね。17年経ってようやく本拠地移転の話が出るのは遅いくらいでしょう。
設立当初のカラーリングに関しては本家をも凌ぐかっこよさでした。レッドブルのロゴを宣伝するわけでもなく、大きな赤い牛のペイントアートが目を引きます。レッドブルのアートカーでしたよね。このチームが宣伝すべきは乗せている育成ドライバーであって、独自スポンサーなどが無ければ車で宣伝するものは何もないですからね。F1は60年代後半にボディーカラーを変える広告が認められるようになりましたが、それ以後の歴史を見ても異端な存在かもしれません。
前年レッドブルのシートシェア経験もあるリウッツィはこの年入賞も果たして無事残留。チームメイトのスコット・スピードも1年目はパスし、落第者は本家のクリエンだけでした。しかりレッドブル本体にはまだ早いと評価されたのか、二人とも昇格はなくトトロッソの2年目を迎えることになります。
ちなみにその後リウッツィはF1に長くとどまるものの、スピードはチームへの批判を繰り返すというマルコが一番嫌いなタイプで翌07年前半戦を最後に育成から解雇されてしまうのでした。設立初期から解雇劇の話題には事欠かないですね。
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