タイヤバースト仕様
【ミニチャンプス メルセデスW11 L.ハミルトン イギリスGP 2020】
ハミルトンが絶対王者として君臨した2020年シーズン、母国イギリスGPではファイナルラップにタイヤがパンクするトラブルに見舞われますが独走で後続にギャップを築いていたおかげで優勝できました。非常に珍しいタイヤバースト仕様のミニカーです。
左フロントがバーストしたこちらのモデル。彼のイギリスGPでのタイヤトラブルといえばもう12年(!!!)も前の2013年、メルセデス移籍初年度も見舞われましたよね。13年もポールスタートでメルセデス移籍後初優勝の期待がかかっていたのですが、残念ながら4位まで後退してしまいました。結局レースは2位スタートのチームメイト、ロズベルグが優勝しているので本当にピレリにかき消された1勝だったと思います。
しかしその経験を見ているが故に、この2020年の「バーストしても優勝」というリザルトはメルセデスでの彼のとてつもない成長・円熟ぶりを感じるんですよね。追い詰められると無線で弱音を吐くこともしばしばありますが決して大崩れはしない、7度の王者たる所以を感じるレースが17-20年は頻繁にありました。残念ながら彼一強すぎてそれほど面白いものではなく、具体的にこれ!というのはすぐ出てこないんですけども……。
ここからミニカーのお話。真横から見ると壊れたフロントタイヤと通常仕様のリアタイヤの差は一目瞭然。「おぉ、ミニチャンプス結構頑張ってるじゃないか」と思いました。ミニカーが手元に届くまでは。個人的にこのミニカー、とーっても微妙な一台で結構買って後悔しています。以下、その理由のご説明。
こちらがバースト仕様のフロントタイヤという新しい試みの近影画像。実はこれ、ゴム製ではなくこの形状で固定されたプラスチックのようなタイヤです。そのため壊れているはずなのに無駄に艶があり光り輝いています。「左フロントを破損させるなら他の三輪も摩耗仕様にしないとバランスとれなくない?」と疑問に思いましたが、ここがこんな感じなのでそんなことしたら余計アンバランスになってしまうのでしょうね……。
素材への不満の次は形状についての不満です。実車の画像と比べると、「これもっと大胆に壊れているんじゃないのかな……」と感じてしまいます。つまりこのモデルはあの印象的な左フロントタイヤがバーストしているのに何とかトップチェッカーを受けたマシンではなく、「タイヤが壊れ始めた瞬間を切り取ったマシン」になっているので期待したものと実物に乖離が大きいんですよね。うーん、ぐにゃぐにゃのゴムで再現は難しいものか……。
こういうものも作っていきたい、という意思を感じる意欲作で、同時期にアナウンスされたフロービズが塗布されたRB18などと同様に「ニッチなマシンにもチャレンジしていきます!」というミニチャンプスの挑戦心は買いたいです。でも第一号としてのこのモデルはなんとも微妙、正確には期待・想像したものとちょっと違いました。でもノウハウが増えれば面白いモデルも出てきそうなので、アンテナは張っていきたいですね。
ちなみに2020年のオフシーズンに一躍話題になり、その後あっという間に注目されなくなったあのデバイス、皆さん覚えていますか?
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