2014年、激動の8月

【ミニチャンプス トロロッソSTR7 M.フェルスタッペン アドリアテスト 2014】
カートで無数のタイトルを獲得したフェルスタッペンが4輪レースデビューしたのは2014年1月のこと。そこからわずか8か月でF1契約を決めました。あの激動の8月を振り返ります。

2013年にフォーミュラ・ルノーのマシンをテストし、2014年の1-2月に開催されたフロリダ・ウィンターシリーズで4輪レースデビューしたフェルスタッペン。当時はまだどこのチームとも契約していない無所属状態でした。その後4月から開催されたヨーロッパF3にエントリー。ここでの活躍でF1デビューを決めます。

5月の第2戦Rd.5で初優勝を挙げると、6月の第4-5戦Rd.13-18で破竹の6連勝を記録。この時期からF1ニュースしか追わない私にも彼の名が届きはじめ、メルセデスとレッドブルによる激しい獲得競争が繰り広げられました。
その後8月12日にレッドブルとの育成契約が発表されたのですが、この時はあくまで「育成契約」で即F1デビューは報じられませんでした。数日後に翌年からのデビューが正式に決まるのですが、この数日で一体なにがあったんでしょうかね……。

そこからは過去例のないスピードで準備が進められたフェルスタッペン。8月31日にロッテルダムでのデモランでF1マシンを初体験すると、9月10日にはこのマシンに乗ってイタリア・アドリアサーキットで当時のスーパーライセンス基準となる300Kmのテスト走行を完遂します。
そして10月3日には日本GPでフリー走行デビューと、この年の1月にシングルシーターデビューしたとは思えないペースで駆け上がっていきました。

もはや懐かしいフェルスタッペン初期のオレンジのヘルメット。「Haloのないフェルスタッペン初期モデルは値段が高い」の例に漏れず、このモデルも後発ながら人気が高くで瞬殺完売でした。事前の予約案内なく突如アナウンスされたのですが、リリース時に運よくPCを開いていたので無事購入できよかったです。

全く話題にならなかった復活2年目のダブルフロア。トロロッソだけが2011年からこの2013年型「STR7」まで継続しましたが、この時代に追随するチームはありませんでしたね。結局チームもこの年限りでコンセプトを諦めてしまいました。

1月に4輪デビューした16歳の若者を9か月後にF1公式セッションまで送り込むという、狂気の沙汰としか思えない育成方法が取られたフェルスタッペン。下位カテゴリで実績をしっかり積む・十分に事前テストをさせるという従来の方法に一石を投じる結果となりましたが、これが正解なのかマックスだから通用するのは永遠の謎でしょう。こんな方法でデビューする若者は生きているうちに現れるでしょうか……。
この年共にヨーロッパF3で戦いチャンピオンを獲得したのはオコン。そんな因縁もあり2018年のブラジルGPでの接触に繋がったのですが、間近で彼のスピード出世を見るのは耐えられないでしょうね……。
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