最後の圧勝劇

【ミニチャンプス RB20 M.フェルスタッペン バーレーンGP 2024】
フェルスタッペンが2024年シーズンの開幕戦を制したモデル。圧勝に終わった2023年に続く勝利で、この年も彼が支配する一年になると思われたのですが……。

ポールポジション・優勝・ファステストラップ・全ラップリードを記録し、通算5回目のグランドスラムを開幕戦で達成したフェルスタッペン。僚友ペレスも5位グリッドから2位までポジションを上げ、チームは開幕から1-2フィニッシュと最高のスタートを決めました。この時には多くの人が「今年のタイトル争いも終わった」と感じたのではないでしょうか。

その後はオーストラリアGPでブレーキトラブルによりリタイア、マイアミGPでノリスを追い切れず2位、市街地に苦しみ6位に終わったモナコGPと3度の取りこぼしがあったものの、それ以外はスプリントも含めて第10戦までで全勝を記録します。
シーズンは完全にフェルスタッペンの圧勝ペースだったのですが、第11戦オーストリアGPでノリスの猛追を受け接触したところから事態は急変していきました。

最強マシン「RB19」の後継機とあって更なる支配力が予想されたこの「RB20」ですが、徐々にピーキーな素性が明らかになっていきました。後半戦はマクラーレンの猛追により6月末のスペインGP以降5ヵ月間も勝利から離れる苦しい展開に。
加えてこの年の5月にはチームの黄金期を支えた天才マシンデザイナー・ニューウェイのチーム離脱が発表され、開発の旗頭を失った上に後続に猛追されるというじり貧のシーズンを戦う羽目になりました。

3月2日のバーレーンGP決勝からわずか数ヶ月で著しい低迷に陥ったレッドブル。ニューエイを失ってもマックスの神がかり的なドライビングでポイントリーダーを死守していきますが、追いかけてくるライバルに対して荒々しいバトルを連発するなど苦しい姿が中継映像からも明らかになりました。
この開幕戦で2023年以上の好成績を予感させただけに、ここまで急速にチームが崩壊していく様は恐ろしさすら感じてしまいますね……。
マックス最初のグランドスラムはこの2021年オーストリアGPでした。これはタイトル獲得への狼煙でしたが、5度目は王朝終焉の合図になりつつあります。
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