フェラーリ F2008 K.ライコネン

オリジナルモデルフェラーリ2008

予想もできない苦戦の一年

【マテル フェラーリF2008 K.ライコネン 2008】

前年王者としてカーナンバー「1」を掲げて挑んだ2008年。誰もがライコネンがタイトル争いの中心になると予想しましたが、まさかまさか、チームメイトのサポート役に回ることになりました。

開幕戦Q2でトラブルによりノータイム、決勝はエンジントラブルで8位完走扱いと散々だったライコネン。続く第2戦マレーシアGPではマッサにポールを譲ったものの彼のスピンリタイアに乗じて難なく首位に浮上しシーズン初優勝を挙げました。第3戦バーレーンGPはマッサに次ぐ2位、そして第4戦スペインGPは優勝と、開幕戦で躓いたものの4戦2勝のタイトル争い大本命となります。

しかしその後は信じられない数の不運が彼を襲いました。首位走行中にピットレーンで追突されたカナダGP、同じく首位走行中にエキゾーストパイプが壊れたフランスGP、雨で優勝を逃したベルギーGPなど、勝利を逃した不運は枚挙にいとまがありません。それ以外にもエンジントラブルのリタイアやクラッシュも相次ぎ、スペインGPの優勝以降の14戦で表彰台わずか6回(2位1回)という悲劇的な成績でタイトル争いから脱落してしまうのでした。

ライコネンにとって不運の象徴のようなF2008。この年中盤以降狂った歯車が戻ることはなく、翌年を持ってフェラーリ追放、そして2015年以降はベッテルのセカンド生活と、本当にフェラーリとは縁がありませんでしたね。むしろよく2007年に奇跡的にタイトルを取れたなと思うくらいです。

この1年の低迷によってライコネンはタイトル数を積み上げるキャリアではなくなってしまいました。王座に輝いた実力者という評価は揺るがないものの彼をエースに据えてチャンピオンシップに挑むトップチームはなく、後のキャリアに大きな影響を与えてしまいましたね。タイトル獲得後の優勝回数6回はあまりにも寂しい……。

フェラーリは一度彼を追い出したもののアロンソとの喧嘩別れを経て再評価、近代F1では珍しく2015年に再招集して近年のフェラーリドライバーでは最も長く在籍した一人となりました。2021年に引退する際にはアブダビでわざわざフェラーリチームとして時間を作って送別していたので、結果が出ずとも関係は良好そうでしたよね。

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