薄氷の連覇

【ミニチャンプス マクラーレンMP4/14 M.ハッキネン 1999】
前年に続いて連覇を達成したハッキネンですが、この年は信頼性の問題でリタイアを頻発。ライバルは事故の怪我で離脱したシューマッハに代わりセカンドドライバーのアーバインでしたが、最終戦でギリギリの逆転による連覇でした。

全16戦で争われた1999年シーズン。ハッキネンは開幕5戦で連続PPを獲得するもののわずか2勝にとどまり、その間シューマッハが勝利を重ね前年に続いて2人の争いになるかと思われました。
しかしイギリスGPでシューマッハがクラッシュによる骨折で戦線離脱すると、変わってフェラーリを率いたアーバインとの戦いになります。

信頼性で取りこぼすハッキネンに対しシューマッハとポイントが分散していたアーバインも得点が十分ではなく、一時はジョーダンのフレンツェンやハッキネンのチームメイト、クルサードもタイトル争いに加わるなど混戦の様相を呈したこの年。
最終的にタイトル争いはアーバイン対ハッキネンの2人に絞られ、アーバインが4点リードで最終戦を迎えましたが、ハッキネンが優勝を挙げて逆転で連覇を達成します。

ウイリアムズから移籍してきたニューエイ初のマクラーレンマシンとなったこの「MP4/14」。前年と変わらず速さを見せたものの信頼性が著しく低下してしまいました。
特にハッキネンは4度のメカニカルトラブルでリタイアを期し、この取りこぼしによってコンストラクターズタイトルはフェラーリに奪われてしまいます。

連覇を達成したハッキネンですがそのキャリアを苦しめた信頼性問題が年々悪化し、翌2000年はタイトル争いに参加できたもののシューマッハに敗れ、さらにその翌年にはトラブルによりスタートすらできないレースも頻発して王座争いから脱落。そうした影響から2001年にはモチベーション低下により事実上の引退となる休養宣言をしました。
エゴの強いチャンピオンたちの中では珍しくクリーンに戦うハッキネンの姿勢は人気を博し、日本でも今なお根強い人気を誇るチャンピオンの一人です。今なおレース活動は継続しているようで、2019年には鈴鹿耐久レースに来日して参加するなど、その動向は現在も注目を集めています。
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