崩壊前夜

【ミニチャンプス MP4-25 L.ハミルトン 2010】
前年までのハミルトン一強体制だったマクラーレンはバトンを迎え入れWエース体制に移行。彼ののメンタルが徐々に揺れ動いていきます。

シーズン3勝を挙げ最終戦までチャンピオンの可能性を残したハミルトン。前半のトルコGP・カナダGPで連勝を挙げてポイントリーダーになるも、後半はレッドブル・フェラーリの両ライバルに開発で遅れじり貧の終盤を迎えます。
この頃から既にマクラーレンの開発力はタイトルを獲得するのに十分ではない状態だったのでしょうね。レッドブルには完全に負けていましたし、フェラーリにも及ばないレースが増えました。

致命傷はやはり終盤の2連続リタイアで、イタリアGPではマッサと、シンガポールGPではウェバーとクラッシュして無得点に終わりました。モンツァでは「Fダクト」の利用有無を含めセットアップが土壇場まで決まらず、シンガポールGPでは序盤から焦ったようなオーバーテイクで接触。大量失点を期しています。
この2レースの失点がなければ最終戦まで有力候補の一人に残っていたような気がしますが、今思えば2011年の大不振は既に始まりつつあったのかもしれません。

バトンがオーストラリアGP優勝の特別仕様だったのに対し、ハミルトンはカナダGPポール記念の特別ハイボックスがリリースされました。ただこの「MP4-25」といえばバトンのマシンという印象が強いので、ハミルトンは通常版が似合うかなと思いこれをコレクションしています。
ただそのバトンも序盤しか活躍していないので、Fダクトで速い印象が残りますが実績はそうでもない一台かなと思います。

秘蔵っ子としてデビューしてから3年、チームがバトンを迎え入れたことでハミルトンは2011-12年と不安定なシーズンを過ごし結果的にマクラーレンを離脱する要因となってしまいました。
イギリスのチームに二人の英国人王者、速さのハミルトンと巧さのバトンというコンビは魅力的だったのですが、歴史の必然に漏れず王座を争うチームでWチャンピオン体制は成り立たないんですよね……。
コメント