イモラの決闘
【ブルム フェラーリ126C2 サンマリノGP 1982】
126C2の誕生20周年にして、ブルムの誕生30周年を記念して2002年に作られたこちらのモデル。作られてから18年が経過するモデルですが、見ていて飽きないほど味わい深いモデルとなっています。
イモラサーキットでのサンマリノGPといえば名勝負は数多くありますが、個人的には自分が見始めた世代ということもあって05/06のシューマッハ・アロンソ対決が記憶に残るものでした。しかしF1に詳しくなり、その歴史を知るにつれ、1982年のヴィルヌーブとピローニの戦いも見逃せないものだと知るのです。
戦いといっても、その一方は最後の瞬間まで戦っていることに気づかなかったこのレース。低迷から復活してきたフェラーリがお膝元でようやくの1-2を迎えるのですが、チームオーダーが通用しなかったこの戦いは敗れたヴィルヌーブに大きな怒りを生み、次戦ベルギーではペースアップに捕らわれた彼の事故死を招くことになってしまいます。このサンマリノGPはフェラーリ復活の狼煙となるはずが、一転悲劇の象徴のようなレースとなってしまったのでした。
そんな悲劇がありつつも、このモデルがリリースされた2002年には既に二人の遺恨は生き残った人たちによって解消されました。そして40年近く経った2020年現在、片方の息子はF1チャンピオンを獲得し、もう片方の息子は最強メルセデスチームのエンジニアとして、父親と同じF1の舞台で活躍しているという何とも不思議なストーリーです。ジルのキャリアはその現役時代も十分魅力的ながら、後日談にもしっかり救いがあっていい話ですよね。記念モデルとしては素晴らしいチョイスで、ブルムの仕上げもミニチャンプスとは異なりいい味があります。とてもいいモデルを手にすることができました。
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