ヒュルケンベルグ伝説、終わる

238戦参戦して表彰台がなかった男、ヒュルケンベルグがついに3位表彰台を獲得しました。19番手グリッド最後列からスタートし雨を味方にポディウムまで大躍進。2012年のブラジルGPでは大チャンスも雨に足を取られました。2019年のドイツGPでも大雨でチャンスをふいにしました。でも今年、2025年イギリスGPの雨はついに幸運をもたらしてくれました。信じられないですね。とても嬉しいです。

レースがまだ半分すぎの段階でストロールを抜いて3位に浮上したヒュルケンベルグ。これまで3度の4位止まりの惜しいドライバーと評されますがその裏にはリザルトに残らない上述のリタイアがいくつもあったわけで、こんなに周回数が残っていてはまだ期待もできない、まだなにも信じられないという感想を彼を追ってきた多くのファンは持ったことでしょう。実際「3位になるには早すぎる!」と思いましたよ……。

その後ハミルトンに抜かれ4位転落する未来が見えていましたが、奇跡的にレースペースでポジションを守り切ることができましたね。それでもヒュルケンベルグ、そしてザウバーですからどこに落とし穴があるかわからず、最後のピット作業4.6秒もハースの同士討ちのデブリにもヒヤヒヤしました。こんなに緊張したレースはここ最近なかったかもしれません。

改めて、ヒュルケンベルグがザウバーで3位表彰台を獲得したのは信じられませんね。来年からアウディに鞍替えするザウバーですが、絶妙にアルファロメオ時代を挟んでこのチーム名で表彰台を獲得したのも感動的でした。2012年小林可夢偉の日本GP以来ですもんね。あの年のマレーシアGPも最後のタイヤ交換ミスってアロンソに突き放されてたなぁ……。
2010年の微妙なデビューから近年の再評価、そして表彰台に縁のない特異性で人気がある彼ですが、デビューから見続けてきたことを誇らせてもらうと「未表彰台記録」が途切れてしまうのは青春の思い出が一つ完結してしまったようでノスタルジーがあります。
ちょっと寂しいけれど、おめでとうヒュルケンベルグ!
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