メルセデス W14 L.ハミルトン

メルセデス2023

意地の3位

【ミニチャンプス メルセデスW14 L.ハミルトン 2023】

2年連続で未勝利となったハミルトン。この年レッドブルに次ぎ躍進を果たしたのはアストンマーティンのアロンソだったのでランキング3位はすっかり彼のものだと思っていましたが、底力を見せたハミルトンが大差でもぎ取りました。

2年連続ゼロポッドを採用した挑んだメルセデスの2023年シーズン。開幕から結果が出ないことは明らかだったので第6戦モナコGPで早々にコンセプトを諦め徐々に面積を拡大していきました。改良を果たしてすぐのスペインGPではW表彰台獲得など早々に成果を挙げるのですが、それでもシーズン中盤まではアロンソと一進一退という感じでしたよね。

徐々にアロンソが失速していくのは目に見えてわかったのですが、後半戦になってもハミルトンが圧倒的に成果を残したという印象はありませんでした。カタールGPでは同士討ちでゼロ周リタイア、さらにアメリカGPでは決勝2位完走も車高不備で失格処分と連続リタイアを期していて、ポイントを積みかさねていないはずなんですけどねぇ……。

鳴り物入りで登場させたゼロポッドを一年半も経たずに撤回したメルセデス。6戦目での変更もかなりの早さなのですが、このタイミングでアップデートが投入できたということは2022年の後半には既に撤回方針が決まっていたのでしょうね。その2022年はラッセルの初優勝で未勝利コンセプトとはなりませんでしたが、完全に失敗作だったと言えるでしょう。2014年から21年まで8年間PU・車体共に完璧に仕上げてきたこのチームがこんなミスをするなんて、本当に信じられない失策でしたねぇ。

この年軽量化のためカーボンむき出しのブラックカラーで登場したW14ですが、ミニチャンプスはその表現をデカールで済まさずにパーツの素材を変更してカーボン模様を再現してきました。年々増加する重量対策でカラーリング無しのマシンが増えているので、こうした工夫のあるモデル化は素晴らしいですね。久しぶりにミニチャンプスの工夫を見てとても感動しました。

終わってみればアロンソに28点差と1勝以上の開きをつけてランキング3位を獲得したハミルトン。その秘密は入賞率の高さで、この年スプリント・決勝を合わせて28回(!)ものレースが行われましたが彼が無失点で落としたのは上述のカタール・アメリカGPの決勝2レースのみでした。もう勝てないとの声も出てくる中で若手に交じってシーズンをこれだけ粘り強く戦い抜いたのはさすが7度のチャンピオンという感じですね。王者の意地を見たランキング3位なのでした。

なんとハミルトン、その長いF1キャリアでランキング3位という結果はこの2023年が初めてでした。「あれ、2012年って3位じゃなかったっけ……?」と思っていたらまさかのライコネンがその座を射止めていました。この年は混戦だったなぁ。

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