タイトル決まる
路面の再舗装に連日続く雨でドタバタとなった9年ぶりのトルコGP。運営の問題も目立ち、レースするドライバーたちのミスも相次ぐなど、いつもと一味違うレースとなりました。序盤はポールを獲ったレーシングポイントが1-2を形成し、それを追うレッドブルという構図でしたが、路面が乾いてからはこの男が本領発揮です。もはや最強といって過言ではないマシンとタイヤのコントロールでペレスを抜いて首位に立つとレースを支配し、優勝で7度目のタイトルを決めました。このレースは間違いなく、彼のベストレースの一つでしょう。いやーほんと、強いですね。感服しました。これができるんだから、何もないドライのレースでは淡々と彼が勝ち続けるのは当たり前の事なんですよね。
予選でストロールがPPを獲得し、レースの前半を1-2で進めたレーシングポイント。レイン寄りのセッティングは大当たりでしたが、乾き始めた後半では苦戦しタイヤ交換をしたストロールは大きく順位を落としてしまいます。一方のペレスは持ち前のタイヤに優しい走りで2位を死守。コロナの影響も受け苦しんだ今シーズンで、ようやく前評判通りの結果を出します。ここは来年に向けて本当に楽しみなチームになってきました。再来年の規約変更に独自デザインで対応できるかはともかく、現行規定が続く来年はメルセデスの恩恵が続いて上位争いが続きそうです。しかしベッテルが加入するとはいえ、これだけタイヤの使い方のうまいドライバーを手放してしまうのは勿体ないですね。ハミルトンが体現しているようにタイヤ管理に長けていることはそれだけで大きな武器となる上、ペレスは速さもスポンサーもある超優良ドライバーなんですけどねぇ。
レッドブルがマシンに苦戦する中、久々にフェラーリが上位に顔を出しました。序盤上位を守ったベッテルと後半に追い上げたルクレールは甲乙つけがたい活躍ぶりでしたが、結果は最終ラップ終盤のわずかなミスでルクレールがベッテルにポディウムを譲ってしまいます。敗れたルクレールはチェッカー直後からくやしさ爆発でしたが、ベッテルにとってはこれが今シーズン初の表彰台でひとまず安堵といった表情でしたね。さすがにフェラーリに乗って最高位が6位のシーズン14位なんて成績ではマシンの遅さを加味しても許されませんからね。しかし残念なことに、これを転機にフェラーリが好調になることもベッテルへの風当たりが良くなることもなさそうで、残る3戦はストレートの遅いフェラーリ勢にはつらいサーキットが続きます。今シーズンのヨーロッパラウンド最終戦、頑張ってきたフェラーリやファンにとってのご褒美的なレースでした。
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