ロータス E21 R.グロージャン

ロータス2013

ミサイルからエースに

【ミニチャンプス ロータスE21  R.グロージャン 2013】

2009年失意のデビューイヤーを過ごし、GTなどF1以外で復帰の機会を伺ったグロージャン。再デビューした2012年は接触多発で「サーキットの通り魔」とまで呼ばれましたが、この年の終盤は大きな成長を見せチームを引っ張るエースになりました。

シーズン前半はライコネンに後れを取り、モナコGPでは相変わらずの追突事故を起こすなど評価が上がらないままだったグロージャン。しかし転機は中盤に訪れます。

この年は安全性を理由にシーズン途中からピレリのタイヤ特性が変更され、これによって勢力図も大きく変化しました。

このタイヤ変更に対してタイトル争いに顔を出すほど好調だったライコネンが対応で苦しんだ一方、グロージャンは著しく成績を伸ばしていきました。

終盤のアジアラウンドでは3戦連続3位表彰台を獲得し、特に日本GPではラップリーダーを記録して優勝争いをするなど一気にブレイクを果たします。

シーズンの前半後半それぞれで両ドライバーが活躍し、ダークホースの活躍を見せた2013年のロータス。結果的に1勝で終わってしまいましたが、両ドライバーは名を挙げました。

マシンの赤い部分には大口スポンサーが加入する噂がありましたが、結局実現しませんでしたね。この上り調子のチーム体制も結局資金難で崩壊してしまっただけに、もし実現していれば好調を維持してPU時代は4強になっていたのかもしれません。

シーズン終盤は給与未払い問題でライコネンが離脱するなどチームが揺れ動く中、エースとしてチームを引っ張ったグロージャン。悪名高いクラッシャーから一転、中堅チームを支える存在に進化しました。

優勝はできなかったもののあと一歩を予感させ、苦境のチームを支える姿から中堅チームには頼もしい大黒柱としてのイメージが定着したと思います。以降もルーキー時代に戻ったような怪しいミスが散発するのですが、それでもシートを維持し続けたのはこのチームへの献身性の「イメージ」があってこそなんでしょうね。

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