ミックが示したもの
【ミニチャンプス ダラーラF317 M.シューマッハ 2018】
ミック・シューマッハが初めてシングルシーターでタイトルを獲得したマシン。個人的にミックはかなり応援してるのですが、F1は残酷にも血統より速さを評価する過酷な競技だったのでした。
幼少期は母親性でカートに挑戦していたミック。この頃の彼は全く知らないのですが、2014年の本格的な四輪デビューに際して本名のミック・シューマッハ名義での参戦に切り替えた頃からF1メディアでの取り扱いも増え、その活躍を私も目にするようになりました。しかし、父ミハエルが事故にあった翌年からシューマッハ名義で四輪参戦というのは、非常に色々と考えさせられるところがありますよね。この時ミックはまだ15歳ですから、そんな若者が重い決断を下したことを私は応援したいなと思うようになりました。
F3初年度は3位1回に終わったのですが、翌2018年は終盤に怒涛の5連勝を記録してヨーロッパF3のチャンピオンになりました。これでタイトルを失った後の問題児ティクトゥムはこの急な連勝劇に不正行為を示唆するような暴言を吐きましたが、確かに誰がどう敷いたレールでF2まで来たのかは結構怪しいところがありますよね。でもまぁ、私はどんなレールでもこのレベルの2世ならプレッシャーに負けず乗ってきただけで偉いと思いますけどね。
その後F2には2年間参戦し3勝をマーク。2年目にはシリーズチャンピオンを獲得しました。派手な優勝や速さを見せた予選はないものの、安定して入賞してポイントを積みかさねてタイトルを獲得しました。しかしこの安定感がF1で全く見られなかったのが残念ですね。
ところでミニチャンプスはミックのF2王者を記念してF2モデルの1/43スケール化を発表しましたが全く音沙汰がありません。ミックの方が先にF1から退場してしまいましたが、お流れなんでしょうかね?大人しくスパークに版権任せればいいのに……。
ちなみにこちらのF3チャンピオンマシンは記念すべきミックコレクションのEDITION No.1となっています。2022年にイギリスGPで初入賞したモデルがNo.9なので間に7台もあるのですが、F1マシンでそんなにリリースされていないはずなので半分近くはデモラン仕様なのでしょうか?ミニチャンプスの寵愛は完全にフェルスタッペンに奪われてしまったなぁ……。
無事F1までたどり着いたものの、ハースチームと上手くかみ合わずわずか2年でシートを喪失したミック。F1はセナ・シューマッハという歴史的知名度トップ2の名前を共にわずか2-3年で放出する残酷さを見せました。何よりも「速さ」、そして次に「金」というこのスポーツが求めるものを明確化したことがこの二人の何よりの功績なのかなと思います。最近は2世ドライバーが著しく増えたので世襲批判的なものもわずかにあったりしますが、ミックの存在は彼らの存在価値を高めることになってしまったのでした。
派手な結果が出ずとも二世ドライバーが長く生き残れるのは天性の速さがあってこそなのでしょう。ロズベルグはチャンピオンまで長い長い下積みを経ましたが、シートを維持できたのはやはり「二世」だからではなく「速さ」があったからなんでしょうね……。
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