ルノー R29 F.アロンソ

アルピーヌ・ルノー2009

当時のワーストマシン

【ミニチャンプス ルノーR29 F.アロンソ 2009】

アロンソをしてキャリアワーストマシンと言わしめたR29。この実力者をもって3位表彰台1回ではそりゃそうだと思いましたが、15年経過した今ではこれ以下のワーストマシンがありそうな……。

フェラーリ・マクラーレン・BMWザウバーら前年のトップチーム同様、空力変更とKERS搭載に苦しんだルノー。KERSは第2戦で早々に搭載を見送りましたがシーズンを通して新空力規定への適合に苦しみ、マシンの遅さを改善できず名手アロンソをもってしても入賞率50%以下、最高位3位という非常に低迷した成績でシーズンを終えました。

さらに悪いことに(自業自得ではあるのですが)、シーズン後半にはチームを解雇されたピケJrが前年シンガポールGPでの意図的なクラッシュを告発しクラッシュゲート問題が発覚。これによりタイトルスポンサーのING銀行が撤退し、もはやスポンサーとも関係のない黄色にオレンジの醜いカラーリングにルノーの自社ロゴを掲載して入賞圏外をダラダラ走るという悲惨な状態になってしまいました。そんな中で迎えた渦中のシンガポールGPでアロンソが3位入賞したのはこの年せめてもの救いだったことでしょう。

ちなみに、ピケJrの後任として登用されたのはルノー育成のグロージャンでしたが、フリー走行でよりにもよって前年ピケJrが意図的にクラッシュした場所で同じようにクラッシュしてしまう最悪のミスを犯しています。本当にこの時期のルノーは何もかもが上手くいってなかったなぁ。

見ただけで遅そうだと感じる工夫のない極太ノーズに加え、当時誰かが評したケチャップとマスタードをぶちまけたような醜いカラーリングのR29。これで速いなら評価も変わるのかもしれませんが、見た目からの想像通りに遅いので何の魅力もないマシンとなりました。アロンソのマシンでなければミニカーを買うことはなかったでしょう。そのアロンソが表彰台を獲得したのはING撤退後なのですがカスタム必須と手間がかかるため、グリッド後方を走っていた開幕戦仕様のミニカーで我慢しています。

09年当時のアロンソキャリアにおいて競争力の無さでいえばデビューマシンのミナルディPS01が入賞もなくワーストでしたが、この年はチームがこのR29に早々に見切りをつけて翌年の開発に切り替えたことからシーズンを通してろくなアップデートがなく、一向に事態が改善しないことから当時のアロンソ評での「キャリアワーストマシン」だったのではないかなと思います。本当に無駄な一年でした。

ただ、それは2009年当時の話。15年経過した2024年現在、アロンソが語るキャリアワーストマシンは一体どれになるのでしょうか……。

個人的予想はこちら。パワー不足のF14Tや某GP2エンジンのストレスも相当だったと思いますが、このマシンはそもそも設計上完走が期待できない特攻仕様のようなPUだったので、レースができないストレスが半端なかったのではないでしょうか……。

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