フェラーリ F10 小林可夢偉 フィオラノテスト

オリジナルモデルフェラーリ2013

日本人の最高到達点

【アシェット フェラーリF10 小林可夢偉 フィオラノテスト 2013】

2013年に向けた最後の希望だったロータスのシート獲得のチャンスが潰え、GTドライバーとしてフェラーリに身を寄せた小林可夢偉。記念すべき日本人初のフェラーリF1マシンテストのチャンスが訪れます。

2012年限りで資金難からザウバーのシートを失うと、上位チームへの移籍を試みクラウドファンディングなどで資金集めを行った可夢偉選手。残念ながらF1チームのシートは得られませんでしたが、ザウバー時代にエンジンを搭載していた繋がりもあってか日本人として初めてフェラーリとGTレースドライバー契約を結び、跳馬のもと耐久選手権に参戦しました。

参戦したWECでは優勝こそできなかったものの4度の表彰台を含めた高い入賞率を示し、チームのコンストラクターズタイトル獲得に貢献します。そのおかげか最初から契約に含まれていたのかはわかりませんが、2013年5月27日にフィオラノサーキットでF10のプライベートテストの機会を得ました。日本人が初めてフェラーリF1マシンをテストした瞬間ですね。

F1レースドライバー契約ではないし、公式セッションですらありません。それでも日本人ドライバーが、それも大好きな小林可夢偉が乗った赤いマシンとあって、このモデルはいつか絶対に手に入れたいと思っていました。乗ったF10も2010年にアロンソがタイトルを争った思い出深い一台で、2013年仕様に衣替えしたカラーリングもまたかっこいいですね。

残念ながら今となってはカスタムモデルの流通はなく自分で作るしかありません。テストに使用されたF10はエキゾーストが下方に移った後期仕様なのですが、ミニカーは上方排気の前期モデルしかないので排気周りのカスタム処理が必須となります。パテで埋めるという未知の作業でしたが、上手く削れず凸凹が残ってしまいました。周りの塗装を気にせずがっつり削って、一から塗装しなおした方が綺麗にできるのでしょうね。まぁ、10年以上も経った今更作ろうとする人もいないか……。

このテストと7月のモスクワでのF60デモランで2度フェラーリF1マシンを操縦した可夢偉選手。しかしフェラーリに所属していてはF1復帰は難しいと判断し、チームを離れ翌年は弱小ケータハムからF1復帰します。この判断は賛否が分かれるところで、13年当時はF1への復帰が見込めなくとも後の歴史を見れば16年にハースが参戦し、その当時の契約ドライバーだったグティエレスがF1へと復帰を果たしています。そのため、もし「このままフェラーリに残っていたら……」と思うところもあったりなかったり……。トヨタに続きたらればを考えてしまうフェラーリ時代ですが、唯一確かなことは跳馬に認められた日本人ドライバーがいたということなので、この事実に満足するほかありません。

もしかしたら可能性があったかもしれないハースF1のシート。ただ現実的にフェラーリでかなり評価されてプッシュされたとしても、13-15年の3年間浪人したドライバーがF1に戻れる可能性はほぼないような気がします。やっぱりケータハムからの復帰はF1に戻るという意味なら正解だったのかなぁ。

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