BMWザウバー F1.08 N.ハイドフェルド

BMWザウバー2008

最も屈辱的な2位

【ミニチャンプス BMWザウバーF1.08 N.ハイドフェルド 2008】

未勝利ながら表彰台を連発し、「シルバーコレクター」の異名を獲得していたハイドフェルド。この年の2位表彰台はあまりにも悲しいものでした。

開幕戦を含めシーズン4度の2位表彰台を獲得したこの2008年。これだけの結果であれば成績は向上したかと思われますが、前年までの彼の持ち味だった安定感が失われ入賞圏外で終えるレースが増加してしまいました。

結果的に前年より少ない得点となり、タイトルを争った僚友クビサにエースの座を奪われてしまいます。

荒れた開幕戦オーストラリアGPや雨が混乱を生んだイギリス・ベルギーGPの2位は見事でしたが、クビサが初優勝を挙げたカナダGPでの2位はキャリアで最も屈辱的な2位だったことでしょう。

BMWザウバー設立後ずっとチームを牽引してきたハイドフェルドですが、戦略によってクビサに先行を許しバトルの許可も下りぬまま従順に2位でゴール。表彰台で歓喜のクビサの隣で悔しそうな彼の表情は忘れられません。

そのクビサの初優勝で歴史に名を残す「F1.08」。そのクビサが後半戦低迷しましたがハイドフェルドが不振から脱却して入賞が増えていただけに、やはり継続開発を続けていればタイトルの可能性はゼロではなかったと思ってしまうんですよねぇ……。

この年はセカンドドライバーとなってしまったニックですが、それでもこのマシンに乗っているとその姿は美しいです。「F1.08」はやはり個人的歴代トップ3に入る名車だと思っています。

中盤の低迷が響き前年より得点・順位共に落としてしまったことでチームのエースの座はクビサに移り、翌年は悪名高いKERSの使用を巡って更に割を食うことになってしまいました。

未勝利ながら参戦185レースで8回もの2位表彰台を獲得したハイドフェルド。これだけの記録を残して「勝てなかったドライバー」扱いに終わるのはあまりに不憫なのですが、2位と1位は全く違うことを示したのもまた彼なのでした……。

ワークスチームのドライバーは待遇はいいのでしょうが、こうしてチャンスが巡ってきても絶対にチームの指示に従わなければいけない空気ありますよね。レーシングドライバーも結局サラリーマンか……。

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