夢見た先は
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【ミニチャンプス レッドブルRB19 S.ペレス 2024】
2024年シーズン限りでペレスがレッドブルのシートを失いました。23年中盤以降全く変わらず低迷を続けた24年のことは忘れ、彼のキャリアを振り返りましょう。
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2011年に小林可夢偉のチームメイトとしてザウバーからデビューしたペレス。母国の大口スポンサーを大量に引き連れ、加えて自身はフェラーリ育成プログラムに加入という、金コネなんでもありのこのお坊ちゃまがとても憎らしかったです。可夢偉が圧勝だった11年はともかく、12年の表彰台先制3連発は本当に心にきました。片や実績も加えて名門マクラーレンへ昇格、片やシート喪失という残酷な結果に私は当時不当にペレスを悪く評価していたと思います。
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その後ペレスはマクラーレンに馴染めず再び中団に都落ちする形でフォースインディアに移籍。以降お金と実績の両面から中堅チームを支える彼を見て私は評価を改め、2016年くらいからは完全に速い奴だと思っていたし18年のチーム救済劇では完全に彼のファンになりました。だから20年の初優勝と、それを期に手にしたレッドブル移籍のチャンスは嬉しかったですね。
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フェルスタッペンのサポートという役割は明確にあったものの、自分が青春時代に応援したドライバーの残り香を感じるペレスが、10年近い回り道を経てついにトップチーム入りというのは感慨深かったです。「あの時移籍を競った先についにたどり着いたかぁ」という感じ。ただ、「勝てないだろうがタイトル争いくらいはしてくれるだろう」なんていう見立てが甘かった。トップチームで待っていたものはエースにすべてを吸い尽くされる魔境で、自慢の金コネもマックスの給料のために当てにされる始末。これがトップチームの現実なんだととても悲しくなりました。
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レッドブルでの4年間で挙げた5勝は日本人が喉から手が出るほど欲しいもので、それだけでも十分な成果だったのかもしれません。でも、やっぱりあの小生意気な、全てを持っているかのように見えたペレスがいざトップチームに加入したのだからもっと大きなものを見せてほしかった。終盤戦までタイトル争いをするとか、母国で優勝するとか、そういう勝利の次に満足できる結果を残して、「見たか、これがトップチームに加入するってことだ!」と自慢げに引退してほしかったです。
あの頃夢見た先で、こんなぼろ雑巾みたいな扱いで捨てられるなんてあまりにも悲しい……。
2012年、このマシンなら表彰台も狙えるかもしれない。そしたら強いチームに移籍できるかもしれない。そうすれば初優勝のチャンスがついに訪れるかもしれない。いろいろな将来へのワクワクの12年後の答え合わせがこれでは、あまりに残酷です……。
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