初の24時間レース優勝
【スパーク キャデラックDPi-V.R 小林可夢偉/F.アロンソ/J.テイラー/R.ヴァンデルザンデ 2019】
この年から初参戦したIMSAデイトナ24時間レース、トヨタWECチームから参戦したアロンソと小林可夢偉のタッグは初優勝を果たし、可夢偉選手にとっては初の24時間レース制覇となります。
アロンソにとっては前年ノリスと組んでの出走以来2回目、小林可夢偉にとっては初のデイトナ24時間レースでしたが、雨模様のレースを制しウィナーの歴史に名を刻みました。この二人は半年後にルマン24時間レースでも総合優勝争いをするので、実にレベルの高いドライバーラインナップでしたね。
そのルマン24時間レース、初優勝を狙う小林可夢偉らの7号車と連覇を目指すアロンソら8号車による1-2体制での総合優勝争いとなりましたが、残り1時間のところで7号車に「パンクしたタイヤと異なるタイヤのパンクを示すデータトラブル」が生じたことで余計なピット作業に時間を要し、あと一歩のところで勝利を逃す結果となってしまいました。アロンソはルマンを2戦2連勝、一方の可夢偉選手はトラブル続きで8度の挑戦もわずか1勝という、対照的な結果に分かれてしまいます。
デイトナ24時間優勝車のミニカーは生産数がそこそこあるのかカテゴリの人気がそこまでなのかよくわかりませんが、中古市場でも比較的入手しやすいシリーズです。ただしこの2019年モデルは全くの例外で、アロンソが唯一搭乗したマシンとあってか非常に人気の模様。そもそも中古市場に出てこないし、出てきてもお値段が張るとても厄介な一台でした。
トップに燦然と輝くアロンソ様のお名前。この一文がどれだけ値を吊り上げていることやら……。アロンソと小林可夢偉は2010-2012年にF1で共に苦戦したお仲間で、可夢偉選手のフェラーリ入りによって共にF10を駆った奇妙な縁でもあります。自動車レースには様々なワークスチームと多くのプロドライバーがいますが、トップオブトップの世界は結構狭いですよね。
モータースポーツのシーズンもまだ始まらない1月に華々しい成果を挙げて迎えた2人の2019年。しかしシーズン終わりにはルマン24時間・WECタイトル共々アロンソが持っていく一方的な結果になります。F1を休養していたアロンソにとってこの年忘れたいのはインディ500の予選落ちくらいで、完璧なシーズンになったことでしょう。一方で可夢偉選手にとっては初の24時間優勝を経験したものの、ルマン制覇の壁にまたしてもぶつかることとなりました。
F1では当時絶不調のマクラーレンで腫物扱いだったアロンソですが、ルマンやインディなど他のトップカテゴリにいきなり参戦しても結果を残す実力は折り紙付きでした。この人に引導を渡してでもチーム体制を根本的に刷新する必要があったマクラーレンですが、よくここから6年でコンストタイトルを取れるまでになりましたよねぇ。
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