雨の圧勝劇
【アルタヤ ロータス97T A.セナ 1985】
名門ロータスに移籍したセナは2戦目で早々に初優勝を達成。豪雨の中3位以下を周回遅れにする独走劇は名レースの一つとして語り継がれる、伝説的な一戦ですね。
開幕戦の母国ブラジルGPでは4位グリッドを獲得し希望を抱かせるシーズンスタートとなりますがトラブルであえなくリタイアに。しかし翌ポルトガルGPでは初ポールポジションを獲得すると勢いそのまま、ポールタイムが1分21秒のサーキットで2位に1分以上の大差をつける圧勝で初優勝を飾りました。
しかしその後は嘘のように不調が続き、クラッシュやマシントラブルはてはガス欠など様々なトラブルで7戦連続無得点の憂き目にあいます。この間前年ドライバーズ3位を記録し勢いのあるチームメイトのアンジェリスがコンスタントに入賞を重ねた事で得点差が開きますが、予選成績ではセナが3度のポールを含め6勝と、記録を辿るだけでもスピードではセナの方が勝っていたことが伺えます。
1985年以降のセナのマシンはロータスのJPS、マクラーレンのマルボロ、ウイリアムズのロスマンズなど印象深いタバコロゴに彩られていきます。が、5,000円もしないミニカーに1,000円以上をかけてデカールを貼る気にもならず、それ以上に高価なミニカーを買う気にもならず、すべてノンタバコ仕様でコレクションを打ち止めました。2000年より前のマシンでタバコ化したのは基本チャンピオンマシンのみ、それも全てではないので、やはりリアルタイムで見ていないマシンはそこまで手を加えなくてもよいかなと思ってしまいます。
後半戦は長い不調を抜け、1勝を含む5戦連続表彰台でドライバーズ4位を獲得しチームメイトを上回ったセナ。驚異的なのはコンストラクターズ3位のマシンで年間16戦のシーズン中に7度もPPを獲得していることで、現代以上にドライバーが差を生む要素が多かった時代ではあるにせよ、将来のチャンピオンとして存在感を示すには十分な成績だったでしょうね。
頭角を現した将来のチャンピオンが勝てるマシンを手にするまで足掻き続ける、という観点では2020年までのフェルスタッペンや2009年のベッテルの様子が浮かびますし、それらと重ねて情景を思い浮かべると85-87年のセナの戦いの様は結構リアルに感じることができる気がします。
セナ+JPSのブラック&ゴールドのカラーリングは2011年に甥のブルーノによって復活しました。バイザー越しの目線がすごくそっくりでしたよね。成績は似ても似つかないものでしたが……。
名門チーム・ロータスの歴史を辿る1/64シリーズ。チャップマン氏のアイデアによって生まれた洗練されたマシンとJPSのクールなカラーリングはいつ見ても色あせないですね。1/43はスパーク生産のレアモデルが多くお値段青天井なので、このスケールで揃うのは大変ありがたいです。
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