お坊ちゃまレーシング爆誕
【ミニチャンプス レーシングポイントRP19 L.ストロール 2019】
父親の多額の資金を武器にウイリアムズのシートを獲得してデビューしたストロール。あまりに低迷するチームにしびれを切らして上り調子だったフォースインディアをチームごと買い上げて息子のためのチームを設立します。
チーム買収だけでなくアストンマーチンの経営権をも取得し、息子のためのチームをワークスチーム化するという離れ業まで見せるストロール親子。これだけの厚遇ながらチームにはペレスというエースドライバーが別に存在する体制矛盾が生じていますが、ストロール自身も悪いドライバーではありません。
デビュー当初はエースで先輩のマッサを敬わない発言や、単純なミスでクラッシュやスピンを繰り返すなど正に金だけで態度のでかいF1に値しないドライバーだったと思いますが、資金を武器にプライベートテストを繰り返し腕を挙げていきました。特に荒れたレースでのサバイバル能力には長けたものがあり、デビューイヤーのアゼルバイジャンGPでの表彰台や、2019年は雨で大荒れしたドイツGPで僅差の4位を獲得しました。
RP19は前年のチームのごたごたを引き継いで前半戦はあまりポイント争いに絡めませんでしたが、ストロール陣営のマネーが効き始めた後半戦ではペレスが9戦8回のポイント獲得など著しい成長を見せます。しかし最高位は上述のストロールの4位で、図らずもペレスがチームを支えストロールが結果を手にするという構図になっています。
デビュー当初ほど悪い部分が目立たなくなったものの、シーズンのほとんどで大して活躍しないのであまりファンは多くないと思います。ですがストロールは今のF1にとって貴重な存在です。息子のためにファクトリーまで建設してくれる父親はいないでしょう。数多の投資団体が名を挙げたいしがないドライバーと手を組んで1~2年の参戦を繰り返してきましたが、結局はコスパ重視で大した成績を上げていません。いくら貧困に苦しむF1界を豊富な資金で好き放題やっているストロール家とはいえ、そんな投資団体よりは息子のためにと身銭をつぎ込んでくれる方が遥かによいレーシングチームが生まれると思います。あとはペレスに匹敵するくらいの成績を残せるようになれば文句なしなんですけどね。
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