今年話題のシリーズ
昨年に一部地域で試作販売が行われ、今年から晴れて全国展開となったデアゴスティーニ ビッグスケールF1コレクションシリーズ。定価4500円と少ししますが、例によって初回のみ1,999円と安かったので買ってみました。今後買うかどうかの判断材料になるでしょうか。ちなみにマシンの向きが右向きとミニカー通常の左向きとは異なっていますが、デアゴの1/43と同じサイズの三角ドライバーで外せます。
結論から言えば、このモデルはコレクション用の「ミニカー」ではなく部屋に飾るための「オブジェ」だと思います。1/43はお手軽に手に入るものの部屋に飾るには迫力に乏しく、一方で1/18は飾るにはあまりに高価で扱いに注意を要します。このモデルは気兼ねなく飾れる大型モデルなので、部屋を彩るにはちょうどいいシリーズです。ミニチャンプスの1/43と比較して、ちょうど2台分の大きさですね。
このシリーズのいい点、メリットは大きさと価格でしょう。上述したように1/24はミニカーではあまり馴染みのないスケールですが飾ると1/43とは比較にならない迫力があります。価格も4,500円と安くはないものの、数を集めるのではなくお気に入りのマシンを飾るために買うのであればお手頃価格です。ミニチャンプスと比較して1/43では3倍、1/18にいたっては6倍近い価格差がありますからね。
そしてデメリットもまたこの大きさです。1/241スケールはプラモデルではいくつかリリースされているもののミニカーではメジャーなサイズではなく、従来の1/43シリーズのようにデカールカスタムやケース移植などの拡張性があまりありません。
1台1台のサイズが大きいが故に、これを全80号集めるのには相当なスペースが必要でしょう。私は1/43シリーズを定期購読していますが、当初予定の90号を集め終わった時点で収納場所に四苦八苦。かなりクローゼットを侵食されています。4,500円×80台が必要経費と考えるのはあまりに単純で、これを収納するスペースや家賃を考えれば莫大な金額が必要なシリーズです。これを「集める」ことができるのは、それなりの持ち家を持った50-60代の方々くらいだと思います。
集めるにはデメリットが多々あるこのシリーズですが、お気に入りのマシンを数台買うことにはとても心惹かれますね。以下、マシンの詳細画像をアップしますが、個人的にはシリーズ最初のこの一台はそこまで悪くない出来だと思います。もちろん廉価版シリーズですから細かい粗は多々あるものの、飾ってパッとみればMP4/4だと十分わかるだけの出来栄えです。レインタイヤを履いているGPの細部の仕様はこうだとか、マルボロカラーはこうだとか、そもそもそういうものを気にする価格帯ではないですね。
最近のミニカーはファンの高まる要望に応え複雑化するマシン細部の再現はもちろん細かなGP仕様違いを相次いでリリースし、そしてその分価格が上がっているわけですが、価格が上がれば高価な分個体差が……。特定のレース仕様を謳えば考証ミスが……。このシリーズにはそんな息苦しさは一切ありません。届いた、迫力あってかっこいいなぁ、以上。かつてミニカーを初めて手にした、コレクションの初心に返してくれるようなシリーズだと感じます。
とはいえ、今後4,500円に値段が上がった時に同じだけの満足感を持てるかはちょっと疑問ですね。今回は1,999円と安かったので満足しましたが、今後はどうでしょう。1/43シリーズもそうですが、シンプルなクラシックカーも大型化して造形が細かくなった最新マシンも同じ価格でリリースされると、当然当たり外れがでてきます。最初に通常価格に戻る第3号P34をもって出来栄えを判断するのは時期尚早で、このシリーズの試金石となるのは第5号のW10になるのではないかと思います。
そんな期待のW10は3/1発売とまだ2ヶ月近く時間があります。せっかく気になっているのにそれは待ちきれない……ということで、写真が公開されていながらラインナップに含まれていないアルファロメオC38 ライコネン イタリアGPを海外から取り寄せてみました。少なくともライコネンとアロンソのマシンは欲しいなぁと思っているので、最新マシンが見るに堪えうる出来栄えだと嬉しいですね。
期待と不安が入り混じる1/24シリーズですが、やっぱり新しいF1シリーズが展開されるのは純粋に嬉しいですよね。こちらで1/43シリーズの最初でも書きましたが、ホンダ第4期の参入でやはり日本でのF1人気は高まったのかなーと嬉しく思います。特に今回のシリーズのターゲットは第2期を見ていた人たちでしょうし、そうした人達や近年新たにF1を見始めた人たちがF1ファンとして増え、ミニカーにも興味を持ってくれているのであれば嬉しいのですが……。
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