緊迫の首位攻防から一転
【ミニチャンプス メルセデスW09 L.ハミルトン メキシコGP 2018】
パワーユニット導入以降、メルセデスが最も苦戦したシーズンとなった2018年。フェラーリの反撃でついに王座が崩れるかと思われましたが、結果はメルセデスの強さをまた一つ盤石なものにすることとなりました。
全21戦で争われた2018年シーズン、前半戦のフェラーリの勢いは素晴らしく、ポイントをリードして前半戦を終えたベッテルがタイトルに返り咲く可能性が十分にありました。メルセデスはオーストリアGPでダブルリタイアを期すなど、速さだけでなくPUの信頼性でもわずかな綻びを見せ、連覇の終焉は現実的なものとなっていました。
しかしベッテルが母国ドイツGPで首位走行中に痛恨のスピンリタイアをすると情勢は一転、夏休み明けのベルギーGPこそ勝利を譲りましたが、後半戦9戦で6勝を挙げる独走メルセデスが復活しハミルトンは2年連続でメキシコGPでタイトルを獲得、シューマッハ・ファンジオに続く史上3人目の5度のチャンピオンへと上り詰めました。
マシンの規定はシャークフィン廃止以外は前年と大きくな変更はなかったものの、この年から頭部保護デバイスHaloが搭載されます。当初ルックスの問題で批判的な声も多かったこのデバイスですが、導入以降のレースでは幾度となくクラッシュ時のドライバー保護に貢献し、現在のフォーミュラカーでは必須の安全対策器具となりました。
前半戦こそ苦しんだものの、後半戦は敵なしの活躍を見せたハミルトン。メルセデスはこれまでの哲学を変更しボッタスにチームオーダーを出すなど、勝利への確たる意思を見せました。フェラーリ・ベッテルの度重なるミスにより助けられたこのシーズンですが、結果的にこの窮地がメルセデスに兜の尾を締めさせるきっかけとなり、より強固なチーム体制へと昇華した印象です。
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