最後の優勝
【ミニチャンプス マクラーレンMP4-27 J.バトン 2012】
バトンにとっても、マクラーレンにとっても最後の優勝となっている2012年。いずれ復調するだろうと思っていたウォーキングの名門チームですが、8年も勝利から遠ざかっています。あの可夢偉の感動的なポディウムがすっかりヒストリーとなってしまった今日この頃、 完全復活まではもう少し時間がかかりそうですね。
2012年は段差ノーズが登場しマシンのルックスが醜くなる中、マクラーレンは段差を採用せず独自の哲学で美しいマシンを生み出しました。速いマシンは美しいの言葉通り開幕戦で優勝を挙げましたが、思えばこの時が長年F1をリードしたマクラーレンの哲学が正解だった最後の瞬間だったのかもしれません。
前半こそ競争力を発揮したものの、中盤戦はバトンが深刻なスランプに陥りポイント獲得すらままならず、復調した後半戦は頻発するトラブルによって両ドライバーのリタイアが増えました。この年のマクラーレンはマシンをバトンに合わせることに集中するあまりトラブルが頻発し、タイトルの可能性があったハミルトンを引きずり落してしまったという印象があります。
信頼性には悩まされたMP4-27ですが素性は素晴らしく、低迷した2013年には再び使用される可能性を報道されたほどでした。ハミルトン時代を象徴するボーダフォンカラーのマクラーレンの中では、初年度のMP4-22に次いでかっこいいマシンだと思います。
混戦からアロンソとベッテルの一騎打ちとなったタイトル争い、シューマッハの引退、可夢偉の活躍と2012年は話題に事欠かないシーズンでしたが、バトンは開幕戦優勝後に低迷して最終戦で復活優勝という独特の歩みでシーズンを進めます。最終戦のブラジルGPではバトンのリタイアでアロンソの逆転王座の可能性もあったため個人的にはトラブルを期待しましたが、そんなものは我関せずといった感じであっさり優勝を決めました。スタートで首位に浮上してからは巧みに雨を読み、淡々と首位を走行というバトンらしさが出た最後の優勝でしたね
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