フェラーリ通算100勝目

【ルックスマート フェラーリ641/2 A.プロスト メキシコGP 1990】
マクラーレン時代のセナとの激しい内部闘争の末、チームを離れフェラーリに移籍したプロスト。初年度はそのマクラーレン相手に好結果を残しましたが、これが跳馬での唯一の勝利となりました。

フランスGPでフェラーリ通算100勝を達成し、この年代では数少ないチャンピオン争いを経験したフェラーリマシンということもあって人気が高いこちらの一台。
セナ・プロ対決の脇を支えるのはベルガー・マンセルとこれまた実力者揃いなのもよいですね。結果はかの有名な鈴鹿の1コーナーでのクラッシュで終戦と、歯切れの悪い幕切れなことからも歴史に深く刻まれるシーズンとなりました。

個人的にプロストはルノーとマクラーレンのイメージが強いので、フェラーリのプロストって本当に鈴鹿のあの接触くらいしか印象にありません。
翌1991年の苦戦を追った人にはいくつかの表彰台で光るものを見出した人もいたのでしょうが、全体的に当時の彼の扱いがどういうものだったのか結構気になります。完全にセナとの決着がついて、終わった人扱いだったりしたのでしょうか。

F1マシンとしては珍しく、その造形美が評価されてニューヨーク近代美術館に展示されていることでも有名なこのマシン。確かに90年代のF1マシンといえばまさにこのシルエットが浮かびます。

この年はセナの鈴鹿での強引な接触で敗れましたが、この年は速さがあったので翌年以降のタイトルを狙う余裕があったかもしれないプロスト。しかし翌91年には競争力不足からタイトル争いに絡めないとわかると公然とチームを批判し、シーズン最終戦を待たずに跳馬を離脱してしまいます。
その後92年の休養を挟み93年は同郷ルノーの伝でウイリアムズから復帰して4度目の王座を獲得し、完璧な形で引退を果たしました。やはり持つべきは強い母国のチームとエンジンサプライヤーなんですねぇ。
強引に2度目のタイトルを掴み取ったセナ。こんなことがあっても94年には仲良く通話していたというし、ジルとディディロ、アロンソとハミルトンの例を見てもこの世界で一生残る遺恨ってあんまりないですよね。
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