フェラーリ SF1000 C.ルクレール

フェラーリ2020

学習の年

【ルックスマート フェラーリSF1000 C.ルクレール オーストリアGP 2020】

近代フェラーリの中でも、F14TやSF16-Hより抜きんでて駄馬だと酷評されたSF1000。2019年後半の疑惑のエンジンパワーを前提に作られたシャシーはドラッグを生みストレートで足枷をはめていただけでなく、もはや崩壊といっていいオペレーションミスの連発でチームの名声を地に堕としました。

開幕戦で奇跡的に2位表彰台を獲得すると、第4戦イギリスGPでもタイヤマネジメントに成功して3位を獲得したルクレール。前半戦にして既に、去り行くベッテルよりも彼の方がチームの中心にいることが明らかでした。

後半戦はコンスト3位を争った3チームの躍進もあり表彰台圏内に留まることはできませんでしたが、それでも7戦連続ポイント獲得などフェラーリのエースとして意地を見せます。荒れたトルコGPではあと一歩のところでポディウムを味方に譲ってしまい、レース後に後悔と自身への怒りの無線が放送されましたね。外野からはフェラーリの集落を嘆き嘲笑する声も多かった昨シーズンですが、ルクレールだけは真摯に厳しい状況下で戦っていた印象です。

表彰台獲得数はF14Tと同じ3回ながら獲得ポイントはその約半分で、ペース不足のほかにもシュタイアーマルクGPでの同士討ちやイタリアGPでのダブルリタイアなど、大きな取りこぼしも見られます。すべてがメカニカルトラブルではないものの、チームの意思決定がとにかく遅くこれによって、特にベッテルは得点のチャンスを不意にすることが多かったですね。

チームはランキング6位まで沈んでしまいましたが、ルクレールは個人ランキングで8位を獲得して面子を保ちました。強豪フェラーリの不振ということで、批判は一手にチーム側に集中しましたから、ルクレールにとっては過度なプレッシャーもなくこの苦戦もよい学習の年になったのかなと思います。また2019年のような速いマシンを手にすることがあれば、今のハミルトンやフェルスタッペンに負けない安定感で戦うことが出来そうですよね。個人的には彼のキャリアにとって結構ポジティブな1年になったんじゃないかなーと思っています。

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