伝説の始まり
【ミニチャンプス ミナルディPS01 F.アロンソ 2001】
2023年時点でもなお最年長ドライバーとしてグリッドで存在感を光らせるアロンソのデビューマシン。この年から20年以上もF1で戦い続けるとは誰が想像できたことでしょう……。
3歳でカートを始め、スペインからヨーロッパ各地のレースを制して1999年にF1で初めてのテストを経験。ブリアトーレの目に留まり2001年に当時史上3人目の10代ドライバーとして19歳でデビューしたアロンソ。数年前に10代ドライバーのデビューラッシュがありましたが、その先駆者ともいえる存在かもしれません。弱小ミナルディでの出走ながら、中堅チームとのバトルを繰り広げ一躍注目のルーキーとなりました。
ブリアトーレが率いたトップチームのベネトンはこの年低迷し入賞争いにも加われず度々下位を走行しましたが、そんなベネトンはアロンソにとって自身の実力を示す格好の餌となりました。非力のミナルディで中堅チームを執拗に追い回し、その様からブリアトーレの信頼を得て翌2002年にベネトン・ルノーでのテストドライバーのシートを獲得します。
この年からヨーロピアン航空に売却され、オーナーの名前を冠してマシン名称が変更されたミナルディ。直近5年で1ポイントしか獲得できていなかった弱小チームでしたが、そんな非力なマシンに負けることなくアロンソは才能を証明しました。入賞できずとも他チームと争えるだけの競争力があれば本当の天才は頭角を現しますし、若手ドライバーをデビューさせトップチームに売り抜くミナルディのビジネスモデルはF1でよく機能していたんですよね。
ミナルディでは記録に残る成績は残せず翌年はテストドライバーにまわったことでF1での実績は同期のライコネンに先を許すことになりましたが、後のインタビューでこの02年のテスト経験こそが自分の基礎になったとコメントするほど有意義なものだったようです。当時は今と違い、専用のテストチームが組まれ世界各国をF1カレンダーと並行して転々として無制限に走行していましたからね。グリッド随一のマシンコントロールはこの2年間の訓練で生まれたものなのでしょう。このレベルでも基礎や下積みが大事なんですねぇ。
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